2011年の大地震以降、日本各地で深海魚捕獲のニュースが多く報道されるようになった。
これまでにも深海魚が捕獲されることは珍しい現象ではなかったが、3.11の地震以降、海底の地殻変動等との関連が指摘されている深海魚の捕獲がクローズアップされる機会が多くなり、中でも富山湾での深海魚捕獲件数が増えていることが話題になっている。
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そんな富山湾では、2014年に入りダイオウイカだけでなく小型の深海「ユキフリソデウオの幼魚」も大量に発生し、漁業関係者の間で異変を懸念する声が広がっている。
太平洋や大西洋をはじめ、世界中の温水域に生息するユキフリソデウオは、成長すると1mを超える大型の魚である(その見た目はリュウグウノツカイに似ている)。ユキフリソデウオの幼魚は通常、海の中層域で立ち泳ぎのような姿勢を維持しながらプランクトンや甲殻類を餌にして生息している。元々中層域に生息しているユキフリソデウオの幼魚が表層に現れたことが周辺環境の異変を意味するのではないかというのだ。
ユキフリソデウオはほとんど人前に姿を現さないことで知られ、台風や大時化(おおしけ)の後、稀に漂着することで知られていた。
2014年2月3日・25日・3月4日と立て続けに捕獲され、2015年に入っても多くの深海生物が捕獲されている。
地元の水族館によると、1995年以来の捕獲記録らしい。
地震との関連が指摘されて深海魚の捕獲が必要以上にクローズアップされている今、大袈裟に深刻な事態と考える必要は少ないかもしれないが、海中で何らかの異変が起きている可能性を頭の片隅にでも入れておくと良いだろう。