日本で感染例が増えつつあるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)。2013年に日本で初めて(西日本で52人中21人が)命を落とす事例があった。
感染すれば発熱・吐き気・嘔吐・腹痛・下痢などの症状が表れ、場合によっては命を落とす可能性のあるこの病気は重症熱性血小板減少症候群ウィルスが原因となって発症するのだが、そのウィルスの媒体となる生物がマダニというダニである。
意外なことにマダニは我々の身近に潜んでいるのだ。
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大きさは2.3mm~3.2mm程でダニとしては大型の部類に属し、哺乳類の血を吸うことで知られ、二酸化炭素や振動に反応して対象生物の体に寄生する。近頃はこのマダニが媒介したウィルスによって命を落とす事例も発生したことから、その危険性が再認識されている。また公園や庭の草に生息しているため人間にとってとても身近な生物である。
マダニの吸血対象は哺乳類全体であるため、その際に血液から多くの病源菌もらい感染症の媒体となる。SFTSだけでなく人畜共通感染症であるライム病・日本紅斑熱・Q熱などの感染症の危険を運んでくることが知られている危険極まりないダニだ。
吸血する際には非常に長い時間をかけ、1週間以上かけることも珍しくない。そのため発見時には体に張り付き吸血中であることが多いのだが、その際は強引に剥がそうとしてはいけない。マダニは口下片と呼ばれる複雑に尖った歯を出し入れしているために剥がしにくいだけでなく、最悪の場合マダニの体を触った際に体内の病原体を含む液体を逆流させてしまう危険がある。
危険な感染症の媒体となっているが、実際に感染症が発症する確率が低いことも事実である。そのため発見した場合には落ち着いて対処し病院で適切な処置を受けよう。