世の中に蔓延する数々のウイルスや感染症。
当たり前のように耳にするエイズウイルスやSARS(2003年に流行)などのウイルスは、20世紀の後半に入り突如として人間に猛威を振るうようになった。
そしてその理由は人間自身にあるのだ。
スポンサードリンク
例えば上記のようなエイズウイルスやSARSウイルスなどは、まさにそうした例に合致するウイルスである。
そのようなウイルスは20世紀後半になって数多く発見されており、総称してエマージングウイルス(emerging virus)、直訳すると新しく発見されたウイルスという名前で呼ばれている。
なぜエマージンスウイルスは20世紀後半に急速に人間に被害を及ぼすようになったのだろうか。
1つ目の理由は急速な交通網の発達である。
20世紀後半は急速に鉄道や飛行機が急速に世界を結び始めた時代でその結果急速に世界が狭くなった。
結果何が起きたかというと、世界中の人が世界中に行くことが可能になった。そして風土病の存在する地域の人間はウイルスの免疫を持っていても、他の地域の免疫を持っていない人にはいとも簡単に感染する。
潜伏期間の存在するウイルスの場合、発症する間にさらに感染が拡大することになった。
2つ目の理由は人間による自然開拓だ。
これはウイルスと何の関わりも無いように感じるかもしれないが、実は自然開拓はウイルスの蔓延と密接に関わっているのだ。
そもそもウイルスは人間だけを宿主としているのではなく、動物たちにも寄生していた。ウイルスは宿主に寄生していなければ生存できないため、宿主である動物たちを殺すことなく共存していた。
エマージングウイルスの多くはそのように熱帯地方の動物たちと共存していたのだ。
その熱帯雨林に人間が進出して動物の数が減少すると、行き場を失ったウイルスは生存するために自身を変異させた。
人間に寄生するようになったのだ。
本来は人間と共存できるはずの無いウイルスなので、人間に感染すれば当然のように害を及ぼす。このようなウイルスは人間が自然を破壊すればするほど多く発見され人間に猛威を振るうということになる。
ウイルスは人間に害を与えるが、その理由は人間にある。
これは一般的にはあまり認知されていない事実なのだ。