固有の在来種が外部からの侵略者たちにより蹂躙されて数を減らしてしまい、最終的には絶滅に追いやられるという悪循環を生み出し、既存の生態系に深刻な悪影響を与える。
そんな外来種の襲来に苦しんでいるのは日本だけではないようで、ヨーロッパでは在来種が外来種を返り討ちにするなど骨肉の戦いが繰り広げられている。
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しかし調査を進めていくと。外来種の分布が必ずしもあらゆる河川や湖全域に及んでいるわけではないと分かった。生物にはそれに合う環境があり、外来種にとっても水温や水に含まれる成分の違いから生息に適さない地域があるのだろうと考えられていたが(もちろんそれらの要因が原因で外来種が繁殖しないこともある)、どうやら本当の理由は在来種との骨肉の戦いであるという。
日本では一般的な生物の力関係の認識として、在来種<外来種と思いがちな人が多い。しかし実際には、強いものが勝つのではなく勝ったものが強いという言葉を体現するかのように在来種が外来種に対し優勢に出ることもあるのだ。
その様相はまさにエイリアンVSプレデター(侵略者VS捕食者)である。
画像はScience Dailyより
(ヨーロッパ在来種のエビがアメリカ原産の外来種のエビを捕食している)
この画像は専門家によってヨーロッパで起きている在来種と外来種の争いを意図的に再現したもので、強力な在来種が外来種を捕食する結果となり、結果的に上記のような外来種が繁殖していない地域が生まれたという。
研究者は、
「この事実験はとても意義のあるもので、外来種に対抗できる在来種を発見し利用すれば外来種に対する抑止としても有効で、在来種を使用するために環境に与える影響も少なくて済む」
とした。
この実験に対する懸念としては、たとえ在来種の生物であっても、少し生息域を広げれば他の地域固有の生物に対する脅威となりかねないということである。また、外来種の繁殖の原因の多くが人間によるものであることも忘れてはいけない。