博物館といえば恐竜や美術品をはじめとした各地の珍しい物を展示している光景が目に浮かぶだろう。
世界中に数多く存在する博物館にはとても珍しいものを展示している博物館も多いが、トルコのカッパドキアには珍しく奇妙な博物館が存在する。
髪の毛を展示している博物館だ。
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博物館といっても公営の巨大な博物館ではなく私営の博物館である。
そしてこの博物館は持ち主のコレクションとして髪の毛を展示しているのではなく、自然に集まってきた髪の毛を展示しているのだ。
自然に集まってきたと表現したが、なにも髪の毛が空を飛んで集まってきたというようなものではない。
博物館の持ち主であり隣接している陶芸工房を営む店主は、30年前に女性と別れる際に今までの思い出としてその髪の毛の一部を譲り受けた。工房を訪れた観光客がその髪の毛に興味を示すと店主は悲しげに思い出を語り、その姿に同情した者達は何を思ったのか自身の髪の毛の一部を置いていくようになったという(中には髪の毛の持ち主の名前が書かれている札もある)。
そのようにして集まった髪の毛を展示(ある意味で粗末な扱いをしていない紳士的な対応)する形で髪の毛博物館が誕生したのだ。本来は博物館ではなく思い出の品々をしまった空間というべきかもしれない。
現在までに博物館に集められた髪の毛の量は16000本以上で、1979年には世界で1番髪の毛を収集した功績を認められてギネスブックに登録されている。
カッパドキアは日本人も多く訪れる観光スポットで知られている。
訪れた際は足を運んでみても損は無いだろう。