奇妙な形をしている植物の中で、最もその言葉がふさわしい存在はサボテンかもしれない。
鋭い刺や奇妙な見た目、おおよそ他の植物には見られない特徴だけでなく、砂漠地帯に生息しているという点も見逃せない。
サボテンが奇妙な見た目となった理由は、その不思議な見た目と深い関係にある。
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サボテンを覆う無数の刺は、自身を食べる動物から身を守るという役目があるが、それ以上の役割として乾燥対策という側面を持っている。
砂漠などの乾燥地帯に自生しているサボテンは、当然のことながら水分を節約しなければいけない。そこでサボテンがたどり着いた最終形態こそが刺を持つ姿である。
刺を外側に広げて表面積を広げることで、僅かな水分を確実に確保するという構造となったのだ。
茎が太く根が広い理由は、より多くの雨を溜め込むための構造である。
通常の植物は二酸化炭素を取り込む為に気孔が開いているが(昼間)、サボテンの場合にはそれが閉じている(余計な水分を蒸発させない為の構造)。つまり昼間に二酸化炭素を溜めておくことが出来ないのだが、夜間に二酸化炭素を取り入れてそれをリンゴ酸に変えることで昼間の光合成を行っている。
中には-50度の寒さに耐えることが出来る強靭なサボテンも存在する。
一見すると危険な見た目でしかないサボテン。
植物の英知が込められているのだ。