地球の核、マグマの周辺を覆うマントルに関する新たな発見があった。
これまでマントルには水が存在しないとされてきたが、最新の実験の結果、水が存在する可能性が高くなったことが判明した。
どうやら水は海のように存在しているのではなく、とある鉱物に含まれる形で存在しているようだ。
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当然マントルは地球の核を密封するような構造ではない(プレートの動きによる裂け目や、プレート同士の境目に溝が存在する)ため、海の水がその間に入り込んでいると考えられていた。
これと同時に、マントル内に入り込んだ水はマグマ周辺の温度や周辺の膨大な圧力により蒸発してしまうため、ある程度の深さより下に進んでいくと水は存在しないと考えられていた。
愛媛大学の実験で、蛇紋石(じゃもんせき)という鉱物に水を含ませ高温高圧の環境(地中1400kmと同じ)を人工的に再現したところ、水を含んだままの状態で存在することが可能であると判明した。
この結果、マントル内には鉱物に含まれた状態の水が存在する可能性が発見された。
この実験によって判明したことは、マントルの中に水(を含む鉱物)が存在可能であったということ、水が存在するといっても普段我々が目にするような液体状の水として存在しているわけではなく、鉱物に含まれた状態で存在している可能性があるということである。
あくまで可能性に留まっている理由は、マントルの調査が進んでいないためにそこでの出来事は机上の空論に過ぎないからである。
マントルが地中深くに存在することが原因となりこれまでほとんど調査が行われてこなかったが、沖ノ鳥島の海底でマントルが露出している場所が発見されていることを考えると、マントル周辺の水(鉱石状)の真相は近い将来明らかになるだろう。