300px Titanic wreck bow タイタニックと運命を共にしたバイオリンが1億4千万円で落札される!世界一有名な船の地位を確立している豪華客船
タイタニック号。

悲劇の船として知られ、沈没から100年たった今でも大西洋の海底深くにその姿を残している。

そして1912年の沈没から100年たった現在、タイタニックと運命を共にしたバイオリンがなんとオークションに出品され90万ポンド(150万ドルで日本円換算で1億4000万円)で落札された。

スポンサードリンク

5e5070c3 e1382288753515 タイタニックと運命を共にしたバイオリンが1億4千万円で落札される!
このバイオリンの発見が発表されたのは2013年の3月中旬で、2006年にイギリス国内の民家の屋根裏に置いてあったところを発見され、多くの専門家によって7年という長い時間をかけた鑑定の結果本物であると認定されたものである。

これはタイタニック号沈没の2年前に当たる1910年に婚約者のマリア・ロビンソンから持ち主に贈られたものであるとわかっている。バイオリンには、「ウォレスへ、婚約を記念して、マリアより」と刻まれたプレートが付いている。

このバイオリンの持ち主はタイタニックに乗船し乗客たちに演奏をしていた楽団のリーダーであるウォレス・ヘンリー・ハートリー(Wallace Henry Hartley)(写真の真ん中)

Titanic orchetra タイタニックと運命を共にしたバイオリンが1億4千万円で落札される!
ハートリーは学生時代にバイオリンを学び、その時に培った演奏の技術で生計を立てるために、後にタイタニック号を所有することになるホワイトスターライン船舶会社のライバル会社で、当時イギリスで最大手の海運会社であったキュナードライン(現在はアメリカのカーニバルコーポレーションに買収されているが現存している)に就職し、当時最大の豪華客船であったモリタニア号で演奏家として働いていた。

そして1912年の4月に、客船に音楽家を派遣していた代理店(派遣会社のようなもの)の「C.W. & F.N. Black,」に転職、タイタニック号の演奏家として派遣される。

結果的にこれが彼にとっての運命の分かれ道となった

1912年4月14日タイタニックが悲劇の瞬間を迎える。

パニックになる乗客を落ち着かせるために、ハートリーたちの楽団は避難しようとせずに最後の時が来るまで演奏を続けていた。結局彼らは誰一人として助かることは無く、冷たい大西洋の海にタイタニック号と共に沈んでいった。

ハートリーの遺体は事故の10日後に引き上げられ、その際に遺体に結び付けられていたケースに、今回オークションに出品されたバイオリンが入っていた。彼はバイオリンに婚約者の姿を重ねたのか、最後の瞬間も手放そうとせず、バイオリンと運命を共にした。後に生存者の証言で彼の最後の姿を知った人々が葬儀には参列し、40000人の人々が彼を見送ったといわれている。

彼は故郷に葬られ、モニュメントの土台には彼のバイオリンが彫刻されている。
793px RMS Titanic Musician%27s Memorial%2C Southampton タイタニックと運命を共にしたバイオリンが1億4千万円で落札される!