世論分析官。中国に存在する政府公認の資格。
中国では言論の自由が全く無い。

これは、中国が事実上の共産党一党独裁制を維持するために、国民の思想や言論を制限し、政府に対する極わずかな不満が火の粉となり、反共産党の思想が広がることを防ぐためである。

そして、近頃中国には世論分析官とよばれる政府公認の国家資格が存在すると中国国営メディアの国営紙の新京報が報道した。

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m70103 世論分析官。中国に存在する政府公認の資格。
中国では一般的に、ネットポリスやサイバーポリスと言われているのがこの資格を持つ者達。その規模は200万人以上とされ、以前から中国ではインターネットを監視し、検閲する者達、いわばインターネット監視員が存在するのではないかと噂されていた。
今回の報道で、中国政府が正式にその存在を認めたと考えていいだろう


彼らは中国共産党の宣伝部門や報道機関(国営報道機関だけでなく民間報道機関も含まれる)、民間企業に勤務して世論分析を行う。方法は中国版Twitterと呼ばれる新浪微博(ウェイボー)というSNSなどで共産党の指定するNGワードが投稿に使用されていないかを監視する役目である。

世論分析官になるためには、必要絶対条件であるインターネットを監視する方法を習得するために、中国国営報道機関である人民日報が主催する講習に参加し、そこで資格を取得する必要がある。

中国では、経済成長こそしているものの、景気の減速から若者の雇用が減少しているために、若者の安定した職業の受け皿ともなり、インターネットが得意な若者と、ネット社会の発達で人員が必要な中国政府からの需要が完璧な形でマッチングしている

世論分析という言葉はいかようにも拡大解釈できる言葉であり、その実態は世論監視員である。

800px Flag of the Chinese Communist Party.svg 世論分析官。中国に存在する政府公認の資格。

最近のインターネットの世界的普及の流れに沿うように、中国政府のインターネット監視予算は年々増え続けている。

新浪微博には現在までに約5億のアカウントが登録されていて、ゴシップから政治的書き込みまでのあらゆるジャンルの投稿が飛び交っている。中国政府は、それらメディアから政府に対して否定的な存在を見つけるために手段を選ばないだろうと考えられる。

実際に政治的な書き込みが発見され、居場所を特定された場合は、中国当局に拘束され、尋問などを受け、起訴される可能性もある。

産経新聞より 中国インターネットのNGワード一覧
67a22c6b 世論分析官。中国に存在する政府公認の資格。

このようなあまりに強力な言論統制がはびこり、現在は世界的企業であるGoogleがその自由の無さを理由の1つにして中国から撤退した。そして、中国は言論の自由ランキングで168か国中163位である(最下位は北朝鮮)。

かつては素晴らしい文明と文化を誇った国であることは間違いないだけに、このような国の体制は残念でならない。