世界中に存在するキリスト教の聖地。多くはバチカンのようにキリスト教の歴史と密接に関わっている人工物であるが、中には不思議な現象が起きたと語り伝えられる間に聖地として認識されるようになった場所がある。
そのような場所として最も有名なのはルールドの泉かもしれない。
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ルールドが聖地として認識されるようになった出来事は1858年に起こった。
ルールドに住んでいた14歳の貧しい少女、ベルナデッタ・スルビーが妹と山で薪を拾っていたところ、近くにあった洞窟の中で聖母マリアを見たという(この当時ベルナデッタは聖母のことを知らず、白いドレスに青いベルト、白いベールをかぶった不思議な女性と認識していた)。
ベルナデッタが聖母を見たのは洞窟での1件だけでなく、その後も18回彼女の前に姿を現し、9回目に現れた際にべるなったを洞窟に誘導して泉を湧かせたとされている。
その時に沸いた泉が病を治すといった多くの奇跡を起こし、ルールドの泉として世界中のキリスト教徒に知られていくようになった。
ベルナデッタに起きた出来事に関心を寄せた司祭達は、1864年に聖母マリアが現れたと伝えられている場所に小さな聖母堂を建設し、それが評判になって今では大きな聖堂になっている。
今ではキリスト教だけでなく世界中から観光客が訪れるようになり、泉周辺まで車で行くことが出来る。ちなみに湧き水は沐浴場まで引かれていて、誰でも持ち帰ることが出来る。
聖母を目撃したベルナデッタはその後どうなったかというと、修道女となったものの1879年に35歳という短い生涯を終えた。
しかし、彼女の遺体は防腐処理をされていないにもかかわらず腐敗することなく、ヌーヴェルの修道院で安置されている。