世界中に存在する火種。現在はウクライナがその中心に位置しているが、少し離れた地域中東にも確実に火種が生まれつつある。
それがイスラム国。聞き慣れない名前であることは当然で、現在イラクとシリア国境付近で勢力を拡大している集団によって建国が宣言された国だからだ。
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イスラム国(ISIL)はその名前からもわかるように、イスラム教を信仰する集団であるジハード(聖戦)主義者達によって建国された。ジハード主義者達は2000年頃からイラクやシリア各地で聖戦の名のもとにテロ活動を行っており、現在まで徐々に勢力を拡大してきた。
2014年の3月にはイラクの都市サマラを襲撃する等して徐々に勢力範囲を広げ、各地の油田や都市を制圧するに至った。そして6月29日になると制圧した地域をイスラム国と命名し独立宣言を行い、周辺国や世界各国の承認こそ存在しないものの新たな国が誕生した。
イスラム国内にはあまりに厳しい掟が存在するようで(指導層の鶴の一声で変わる可能性があるので法律という表現は使わない)、イスラム法(シャーリア)を根拠として
①髭剃り禁止
②女性は外出時に顔と手以外を隠さなければいけない
③強盗を犯した者には重罰を
①と②は死刑もあり得る重罪として③は腕の切断という厳しい刑罰が科され、イスラム国と敵対しているイラク政府を支持した場合にも死を含む悲惨な刑罰が存在している。
現在のイスラム国ではこのようにある種の恐怖政治のような統治が行われている。国民の人権が軽んじられていることや中東地域の情勢不安による石油価格高騰、アメリカの軍事介入の可能性による周辺地域の情勢不安や株価の変動等の影響が懸念されており、日本にとっても対岸の火事ではない(また彼らの目的はイスラム教の国で1つの共同体を作ることのようで、仮に同調する勢力が各国で行動を起こした場合には世界情勢は深刻な危機に陥る)。
イスラムの神はこのような現状を望んでいるのだろうか。神を後ろ盾にして人を支配するという行為はもはや善なのか悪なのか分からない。