日本人には高級食材として馴染み深いフカヒレ。
そんなフカヒレが日本のヒルトンホテル(ヒルトン東京・ヒルトン大阪)で4月1日から販売中止になるという。
販売中止の理由は、フカヒレを目的とした世界中でのサメの乱獲を防ぐ意図があると説明している。
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今回の販売中止の目的はフカヒレを目的としたサメの乱獲を防止するためであると発表されたが、仮に日本各地でフカヒレの販売が自粛された場合には各地に混乱を招く可能性があるだろう。
現在のフカヒレ需要の中心は主に中国であることや、サメの産地として有名な気仙沼(被災地)ではフカヒレの需要は重要な収入源であることから、今回のフカヒレ販売自粛の効果を疑問視する声は避けらないだろう(一応サメの乱獲防止という目的は達成可能である)。
経済成長著しいお隣の中国では、フカヒレは高級であることから食することそのものが富裕層のステータスであるといった考え方も存在し、そのため富裕層の増加と共にフカヒレの需要も増えた。また東南アジアでもフカヒレは高級食材の地位を確立していることを考えると今回の販売中止の効果は僅かなものとなるだろう。
フカヒレ漁ではその方法を巡って以前から論争が繰り広げられていた。
一般的に漁船が捕獲できる魚の量は捕獲した魚の総体重で制限される場合が多く、そのため捕獲されたサメは背ビレ・尾ビレ・胸ビレだけを切り落とされて海に廃棄される(特に中国で)。ヒレを無くしたサメは泳ぐことが出来ずに沈み窒息死する。
またフカヒレとして捕獲されるサメもアカシュモクザメなどの絶滅危惧種である場合が多く、絶滅寸前の魚類を乱獲しているといった反発も少なくない。
フカヒレ販売停止は思わぬ論争を起こすかもしれない。