エボラ出血熱が赤道直下のギニア共和国で猛威を振るっている。
現時点でエボラ出血熱に対抗する手段(ワクチンや特効薬)は存在せず、さらなる広がりによる被害拡大が懸念されている。
そして何故急にエボラ出血熱が流行し始めたのかという原因の究明も待たれている。
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2014年の2月に謎の伝染病が同地域で流行し、実際に命を落とす患者まで現れた。ギニア国内での原因究明は困難であったため、同国保健省はフランスの研究機関に原因の究明を依頼した。その結果、伝染病の正体はエボラ出血熱であることが判明した。
エボラ出血熱の原因となるエボラウイルスはとても危険な病源菌である。日本では全く耳にする機会が無いかもしれないが、国立感染症研究所の定めるウィルスのリスクグループにおいてグループ4(人間同士や動物同士で感染し、現時点で治療法が無いもの)に分類されている。同じグループ4には天然痘が属し、1つ下のグループ3には狂犬病ウイルスやエイズウイルスが属していることからもエボラウイルスの危険性を知ることが出来る。
エボラ出血熱は感染者の排泄物や体液などが飛散しただけでも感染する強力な伝染病で、人間だけでなく動物(サルやコウモリ)からも感染するため、人間だけに対策を施しても暖簾に腕押しという状況である。
感染した場合には約1週間の潜伏期間を経て発症し、発熱や嘔吐などを催した後に全身から出血して命を落とすことがあり、その致死率は50~90%と非常に高い。
現状ではWHOや国境なき医師団が現地入りして対策を施しているが、世界中家繋がっている現代、この1週間の潜伏期間は多くの土地にウイルスが運ばれるという危険性を秘めていることになる。