今では一部の人間意外にあまり使われることが無くなった方位磁石。
学校でも教わるように、方位磁石は地球の磁場に反応してNが北を指してSが南を指しているのだが、これは地球上において永遠不変の法則ではないことを知っている人は少ない。
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その理由は地球の磁場が逆転しているからである。地球の磁場が逆転することがあると聞いた場合、多くの人はそんな話を信じようとしないだろう。しかし、現在の地球のようにNが北を指してSが南を指している状態は約7万年～8万年前に始まったもので、それ以前にはNが南を指しSが北を指していたことが明らかになっているのだ。
磁場の逆転は7万年前に初めて起きた現象ではなく、過去1000万年の間だけでも複数(約50回程)発生していると見られ、時期こそ不定期とされているものの平均すると約20万年に1度の割合で磁場が逆転している計算になる。
磁場が変化した形跡が発見された理由は火山岩の特徴である。火山岩は地表で冷えて固まる際に磁場の方向に向きをそろえるという性質を持つため、火山岩とその年代を調べれば当時の磁場の方向が判明することになる。
地球内部に磁場が存在する理由は、その内部に電流が流れているからだ。
地球の内部はマントルと核(外核と内核)によって構成されていて、マントル(個体)と内核(高圧の原子の個体)によって外核(高温の液体)の層が挟まれている。液体を個体が挟む状況で内核が外核よりも速い速度で回ることにより摩擦が発生して電流が生まれる。
これが磁場の正体とされているのだが、何故磁場逆転が起きるのかというとその原因は判明しておらず、仮説の域を出ていない(外核内部の乱れによって逆転現象が起きるというもの)。
仮に磁場が逆転してしまった場合、一時的に地球を宇宙線から守るバリアが弱くなることが予想される。他にも本能的に磁場の方向を感知している動物(鳥等)にとっても大きな打撃が起こるだろう。
問題はそれら磁場の変化がいつ起きるかということなのだが、それは判明していない。
