深海生物が捕獲されるニュースが世間を賑わせる中、なんとメガマウスまでがその姿を現すことになった。
静岡県静岡市清水区の定置網で体長4.4mのメガマウスが捕獲され、世界で57頭目の事例となる。
メガマウスはその捕獲頻度の影響で、今も詳しい生態は判明していない。
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ジンベイザメとウバザメに次ぐ巨体を持ち(最大で全長7m)、皮膚や筋肉は非常に柔らかく、だらけきった体をしていることが特徴だ。
幅が広くて長い頭部を持ち、その先端部分に口がある(通常のサメは頭の下に口を持っている)。尾ビレは非常に長く、まるでオナガザメのような姿ともいえる。
口の中には小さな歯が100本ほどあり、口の中には銀色の部分が存在する(光を反射させて餌をおびき寄せる目的があると考えられているが、その真相は判明していない)。
濾過食性(プランクトンやクラゲ等を食す)のサメで、他の濾過食性のサメであるジンベイザメやウバザメのように巨大な体と遅い遊泳速度といった共通点がある。
昼間の間は水深120m~170m(200m付近に生息しているという説もある)の水域を泳いでいるが、夜になると水深20m程度の場所に浮上して来る。
発見例が少ないことは先述した通りで、2011年までに世界では50匹しか捕獲されておらず、その内13匹は日本で捕獲されたものだったことからメガマウスの希少性が窺える。
また、メガマウスは原始的なサメの形を色濃く残していると考えられていて、今後の研究が待たれる生物の1つである。しかし発見例が少ないことからその寿命や生殖方法等は一切謎に包まれている。
日本で多くの発見例があるが、現在まで判明している生態から、おそらくは世界中の熱帯や温帯の水域に生息していると考えられている。
これほどまでに巨大な生物でありながら最近まで発見されていなかったという事実。深海のロマンを感じる。