今日、多くの人にとって必要不可欠になるほど、我々の社会や日常生活に浸透しているSNS(social networking service)。
日々、ツイートや呟きといった言葉が頻繁に取り交わされるようになり、科学が発展し、世界中がつながっている現代の姿を象徴している。
そんなSNS、Twitterで文章を投稿することをツイートというのだが、なんと世界で初めてツイートをした人物はイエス キリストであるという。
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この発言はバチカン(ローマ教皇庁)の文化評議会議長、ジャンフランコ・ラバジ枢機卿によってもたらされた発言である。
「簡潔で深い意味のある言葉を発したイエスは、世界で最初にツイートした人物といえる」
「45文字以下のシンプルなな言葉を使って、誰よりも早くつぶやきをした」
この発言を聞いて
「はい、そうですか」
と思う人は、まず間違いなくいないだろう。
無宗教がほとんどの日本人ならばなおさら、
「ちょっと何言ってるかわからない」
となるはずだ。
実はこの発言の裏には、この発言をしたジャンフランコ・ラバジ(Gianfranco Ravasi)枢機卿の思想が反映されているのではないかと考えられる。
なにも盲目的に
「すべての物事の祖はキリストなのだ」
というようなオカルト的な発言ではない。
このジャンフランコ・ラバジ枢機卿は、枢機卿の中でも珍しく考古学にも精通した人物として知られている。下記の発言から、異端であるという意見がキリスト教原理主義者たちの間で少なくなかった。
彼はかねてから
「現在の科学を用いた、歴史上の人物としてのキリストの解明と、神学的立場をとる考え方を分離するべきではなく、同じキリストに関わる者達同士、共に手を取り合い協力するべきである。また、化学(進化論含む)はキリスト教信仰と相互に排他的ではない。」
と発言し、現代の時代に即したキリスト教の在り方を提唱してきたとても現実主義的な人物だ。
同時に、科学と聖書の互いの解釈に関する著書を発行していて、これまでにないタイプの異色な枢機卿であると考える人も少なくない。
今回の発言では、キリストが世界初のツイートをしたと発言することで(実際はそのように思っていないだろうが)、現代科学とキリスト教信仰の距離感を少しでも縮めようとするジャンフランコ・ラバジ枢機卿の考えがあったと思われる。
彼は同時に、
「聖職者、司祭がコミュニケーションに対して興味がないとしたら、それは自らの義務に反することだ」
とも発言していて、聖職者はSNSなど、現代のコンピューター技術を積極的に使うべきと述べた。
枢機卿(Cardinal)とは、カトリックにおいて教皇に次ぐ役職である。80歳以下の枢機卿は教皇選出選挙(コンクラーベ)の投票権を持つ。
現在、枢機卿は117人存在し、115人が教皇選出選挙権を有しているこれまでに日本人枢機卿は5人存在した。枢機卿の役割は枢機卿団を作り教皇の補佐を行うことである。
ちなみに、枢機卿になるためには、司祭の叙階（じょかいと読み、聖職者として認められること）を受けたものの中からローマ教皇に指名される必要がある。
任期は無い。
