2014年現在、小学生のような子供も含め日本人の多くが所持している携帯電話。
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携帯電話とPHSの総契約数は約1億4000万件にも及び、人々の生活にとって欠かすことのできない存在となっているが、そんな携帯電話について少し心配な話題がある。「携帯電波から発せられている電磁波(電波)は人間にとって有害で、特に脳に影響を与える」という話を誰でも1度は聞いたことがあるだろう。
2004年12月、スウェーデンの研究機関が「携帯電話を10年以上使用している人は、そうでない人と比べて聴神経腫瘍にな危険が高い」と発表し、時期を同じくしてドイツでも「速通信の第3世代(3G)の携帯はもうの働きに影響を及ぼす」と発表した。
2005年1月11日、イギリス保健省の管轄機関であるNRPB(放射線防護局)は、8歳未満の子供が携帯電話を使用することに警告を発した。頭蓋骨が未発達な子供では、頭蓋骨や脳神経の病気に掛かるリスクが高いことが否定出来ないというのだ。
仮にこれらの説が本当であるとしたら、携帯が不可欠な社会に生きる我々にはどのような選択肢があるのだろうか。
携帯電話に限らず電子機器から発せられる電波が人間に有害であるという報告は、1970年代から存在していた。アメリカ国内、高圧送電線に近い住宅地では小児白血病の発症リスクが高いことが発表されたことだ。
ちなみに、国際的な場では小児白血病にリスクは高圧送電線の電磁波とは関連こそあるものの、一般的な環境で発生する電磁波は人体に影響を与えるものではないとされ、上記の説は否定されることとなった。
日本でも1997年から10年間にわたって専門家による委員会で携帯電話の電磁波による健康への影響調査が行われており、2007年には「長期にわたる携帯しようによって脳腫瘍の発生や血流への影響は認められない」と発表されている。
2008年の朝日新聞の記事では、携帯電話の電磁波が心臓ペースメーカーに影響を与えるとされてきたことも、実際には関連性が無いと否定している。この根拠は総務省の指針で、携帯をペースメーカーから22cm以上離して使用するという基準が設けられているのだが、22cmとは電磁波の影響を受けやすい旧式(今は普及していないタイプ)のペースメーカーに最大の電磁波を当てるという最悪の条件下での実験結果によって導き出されたもので、現在普及しているペースメーカーには電磁波吸収フィルターが付いているので携帯からの影響を受けないというのだ。
日本では電車の中で優先席付近での携帯使用を控えるようアナウンスがあるが、これは世界でも例がなく、なんと心臓にペースメーカーを付けた患者自身が携帯を使用しているという(中には電磁波過敏症の人も存在し、頭痛やめまいを訴える人や、皮膚に赤みが表れる人もいる)。
こうすれば不安が多いの携帯の電磁波であるが、2010年の1月に興味深い報告がなされたことを知っているだろうか。
電磁波がアルツハイマーの予防になるという研究結果が発表されたのだ。
マウスを使用した実験により、アルツハイマーの原因であるアミロイドβたんぱくが電磁波の影響を受けて減少することが判明。言い換えれば、電磁波によって有害なたんぱくが抑制されて血液中(脳外)に排出されるようになり、結果的に電磁波によって脳細胞が活性化たということになる。
これはまだ研究段階で、人間の頭に中を電波がどれだけ浸透するかという点も明らかになっていないのだが、悪者扱いされてきた携帯電話の電磁波の意外な効能ということになる。