nano1 600 ナノ食品の可能性。食事スタイル激変の兆し。
現代人の食生活は豊かになったが、一方でカロリーや塩分や養分を余分に摂取してしまうことも多く、決して健康的な食事とは考えられていない。

しかし、多少健康に悪いとされていたとしても、目に見える影響が無ければ誘惑に負けてしまうのも人間である。

そんな現代人の食を根本から変化させる食品の研究が進められていることを知っているだろうか。

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ナノ食品。聞き慣れないこの単語であるが、今後我々の食の中心になる可能性を秘めた興味深い食品である。

ナノ(nano)とは大きさの単位を表す言葉で、1nm(ナノメートル)は10億分の1mと非常に小さい。これほどまでに小さい単位で操作する技術(微細胞技術)を食品に応用しようという研究が進んでいる。これが2009年にアメリカ科学振興協会で発表されたナノ食品だ。
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例えば、塩を微細胞技術によって今よりも小さな粒にすると。従来の大型の結晶よりも舌に触れる面積が大きくなる(粒を細かく砕くイメージ)。舌との接触面積が増えたナノ塩によって、量が同じでも従来のものより潮の味を多く感じることになる。
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マヨネーズでは、水滴にナノ技術を使い油の膜をコーティングすることによって、味の変化をさせずに油分の量を減らすことが出来る。よって、ナノ食品は少量でもしっかりと味を感じることが出来るようになり、多くの食品での過剰摂取や資源の消費が少なくなると期待されている。
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一方、ナノ食品には期待の声と疑問の声の双方が指摘されている。

健康食品の有効成分の多くは、胃液などの消化液によって分解されてしまう。つまり、摂取した分の全てが体内に吸収されるわけではない。そんな健康食品をナノ技術でコーティングを施して、胃液の影響を受けずに直接腸で吸収させることで吸収率が格段に上がり、効果が大きくなりコストが少なくなるという理想の健康食品となる(カプセルを飲むイメージ)。

これだけでは非の打ちどころの無いナノ食品であるが、その安全性に反対の意見も存在する。
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ナノ食品はとても小さいため、消化器官を簡単に通り抜けてしまう可能性があり、消化されずに通り抜けたナノ食品は、血流に入って過剰摂取を起こすおそれがあるという。また、食品のナノサイズ化によって、その物質本来の特性が強くなったり、違う性質を持ったりする可能性もあり、最新技術であるナノ技術はどのような結果を生むか予測不能な状態にあり、今後も長い時間をかけて検証が必要だという。
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ちなみに、経済産業省の試算では、日本国内のナノ市場は2030年には26兆円を超すとされていて、急成長と共に新たな投資先の開拓という点で注目されている。

ナノ食品が当たり前になる時代がすぐ迫っているかもしれない。