Marburg Geisbert 640px マールブルク病。突然現れる謎の熱病!
エボラ出血熱やデング熱のように、近頃の日本では感染症に関する話題が増えてきた。

海外へと渡航する人が増えたことや、海外からの生物が日本に流入することが珍しくなくなったことから、これまでは対岸の火事のように感じていた海外の病気が身近なものとなったからだ。

今の世の中、海外で発生するパンデミックは常に日本に対する危険を多く秘めている。

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マールブルク病と呼ばれる謎の病気もその危険の1つだ。マールブルク病とはコンゴ周辺の地域で突発的に出現する熱病で、自然ホストが今も謎に包まれている病気である。

病名のマールブルクは最初に病気の発生が確認された場所の名前で、意外にもアフリカに存在する地名ではなく西ドイツの地名である

1967年8月、西ドイツのマールブルク・フランクフルト・ユーゴスラビアのベオグラードでポリオワクチン製造を目的とした研究が行われていた。その際にウガンダから輸入されたアフリカミドリザルを使って実験や解剖を行っていたのだが、突然研究所内に謎の熱病が発生。25人に症状が発生にて7人が死亡した。その際患者に接触した医療関係者の間でも二次感染が発生した。
Marburg Geisbert 640px マールブルク病。突然現れる謎の熱病!
当時実験で使用されていたサルの組織から検出されたのがマールブルクウイルスである。
green monkey2 マールブルク病。突然現れる謎の熱病!
マールブルクはエボラ出血熱と同様に、ウイルス性出血熱の1つで、別名見剃りざる出血熱とも呼ばれている。患者の血液・体液・排泄物によって感染する恐れがあり、致死率は88%という驚異的な病気だ。

感染した場合には突然の高熱・頭痛・嘔吐・筋肉痛・咽痛(のどの痛み)に襲われ、熱は1~2日で収まるものの再度上昇した後に発疹が発生し、重症になると全身に出血班が出で死に至る。
Marburg virus マールブルク病。突然現れる謎の熱病!
現在判明している感染源はアフリカミドリザルやコウモリ。感染が確認されている地域はアンゴラ・コンゴ・ケニア・ウガンダ・南アフリカ等である。中でも1998年~2000年にかけて今後で154人が感染してその内128人が命を落とし、2004年~2005年の間にはアンゴラで277人が死亡しているこのように突如としてパンデミックが発生することもこの熱病の大きな特徴の1つだ。
Global EbolaOutbreakRisk 20090510 マールブルク病。突然現れる謎の熱病!
感染経路や高い致死率等、エボラ出血熱のようなマールブルク病。

近い将来にエボラ出血熱のように流行地域を拡大させる懸念がされている。

ちなみに、現時点ではワクチンも治療法も無い