砂漠と草原の国モンゴルには奇妙な生物が生息しているという伝説が残っている。
その名をモンゴリアンデスワームといい、伝説というほどに長い間伝わっていたものではないが今もその存在を信じている人は少なくない。
言い伝えによるとモンゴリアンデスワームはその名の通り獰猛な生物で、なんと人間を食べてしまったという記録も残っているという。
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モンゴルを広く覆う砂漠地帯に生息しているとされ、現地ではオルゴイ・コルコイ(血が詰まっている腸のような虫)と呼ばれるようにミミズやイモムシのような見た目で体長は50cm~150cmほどになり、雨季の6~7月になるとその姿を現すと言い伝えられている。
ここまで聞けば少し大きなミミズとしてリアリティがあるのだが、モンゴリアンデスワームの生態を聞けば生物としてあまりに現実的でないことがわかるだろう。
地面に潜ったデスワームは近くを通る家畜や人間を獲物とし、尾から放電して獲物をショック死させたり、霧状の毒液を吹きかけるといった習性を持ち、1800年代にロシア人の調査隊を襲い数百人が犠牲になったとされている。
以上のようなフィクション性の高い記録しか残っていないことからモンゴリアン・デスワームは伝説上の生物であるという見方が強い。
1926年以降もヨーロッパの学者や調査隊が幾度となくモンゴルを訪れ、中には実際にその姿を目撃したという記録する者もいたが、その証言を証明する証拠は見つかっていない。
2005年5月、イギリス人学者のリチャードフリーマン率いる調査隊が現地入りするも、結局は目撃情報を収集するだけで終わってしまった。
彼は調査後に
「ゴビ砂漠の立ち入り禁止地区の深部には生息しているかもしれない」
というコメントを残しているが、実際には存在しない架空の生物の可能性の方が高いというのが一般論となっている。
ミミズ状の生物は存在したとしても、電機や毒霧などは人間が脚色したものだろうという説や、トカゲなどを見間違えたという説が有力である。