Rising oil prices put air brakes on airline profits 1024x761 900x668 ガソリン価格が上昇中!緊迫する国際情勢や若者の車離れによる需要低下。
ガソリン価格が上昇している。

石油価格の上下そのものは時の世界情勢が色濃く反映されるのだが、1年半程前までは120円台だった価格が現在は160円台と、ここ最近の異常なガソリン価格の上昇にはそれらとは少し違う理由が隠れているようだ。

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石油価格が世界情勢の影響を受ける理由は、第1にガソリンは世界中で共通した資源であること、第2にその産出地が限られていること(機械製品のように製造することが出来ない、第3にそれら石油を世界中に運ぶルートが存在する(他にも多くの投資家が仲介することで価格が上昇する)。
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第1の理由。例えば特定の国が多くの石油を消費するようになった場合、現時点で採掘されて使用できる石油の量は限られているため、結果として石油価格が上昇する。

第2の理由。産出地に政治不安や紛争などが発生した場合にはこれまでのように安定した石油採掘や運搬が難しくなり、絶対量の減少した石油価格は上昇する。

第3の理由。石油を輸入する国にはそれぞれ石油が通るルート(特定の国からの陸路や特定の国の海域を通る航路)が存在し、そのルートを何らかの理由で使用困難となると迂回等の輸送コストの増加が発生することで石油価格の上昇に繋がる。

最近の世界情勢に当てはめてみると、第1の理由は中国での石油の需要増や日本での原発停止による石油輸入量増加。第2の理由はジャスミン革命に始まる中東情勢の不安定化。第3の理由は南沙諸島周辺の中国とフィリピン・ベトナムの対立によるシーレーンの情勢不安である。
image ガソリン価格が上昇中!緊迫する国際情勢や若者の車離れによる需要低下。
これら世界情勢が現在の石油価格を引き上げていることは間違いないのだが、日本の場合には少しだけ異なる事情が混じっているようだ。

日本で160円台を記録している理由としては、先述した世界情勢が関わっていることはもちろんであるが、4月からの消費税増税による価格上昇(これには暫定税率に対して消費税が課税されるという二重課税であるというカラクリもある)、低燃費の車の普及と重なるように若年世代の車離れ(車をステータスとは認識せず、同時に所得減少によって購入出来ない)が挙げられている。
IMG 0276 900x675 ガソリン価格が上昇中!緊迫する国際情勢や若者の車離れによる需要低下。
日本中で自動車産業の利益増に連なる製造業全体で一時的に株価の上昇があったのだが、日本全体で使用される車が増えた(新規購入者が増えた)のではなく、あくまで増税直前の駆け込み需要による買い替えであることから相対的なガソリンに対する需要が増えるには至らなかったと見られている。

また車が必需品となっている地方では死活問題となっており、今後更なる価格上昇があった場合には需要者と供給者の双方が共倒れという事態となるだろう。石油価格が上がり運輸会社がの倒産が進むことによる物流の停滞も日本に深刻な経済的ダメージを与える可能性もある。
oil price in yen 02 01 2013 ガソリン価格が上昇中!緊迫する国際情勢や若者の車離れによる需要低下。
現時点で最も効果的な対策は暫定税率の廃止であるが、政府にとっては貴重な収入源である税率であり、今後ガソリンが売れなくなってくると税収確保のために暫定税率に対する依存度は増してくると思われる。

現在の日本では政治に期待することは難しい。