魚類の中でも長い寿命を誇るホホジロザメ。
これまで幾度かその寿命を計測する調査が行われ、その結果ホホジロザメの寿命は20年弱であるとされてきた。
20年といえば魚類の中では十分に長寿なのだが、なんと最新の研究の結果ホホジロザメの寿命は70年を超えていると指摘され始めた。
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これまでは15歳で成熟して25年以上は生きるとされてきた。
サメの寿命を調べるのは非常に難しいことは意外に知られていない。
サメは他の動物と比較して成熟するまでに時間がかかり、水族館で飼育されている個体の調査などで寿命を調べることは一応可能であるものの、そのような環境で飼育されたものは自然に生息する個体と同列に並べることは出来ない。
そのため、自然界のサメの寿命を調査する場合にはキャッチandリリースによってGPSなどを取り付けたサメを長い時間かけて追跡調査する方法や、捕獲された個体の脊推骨に存在する年輪を調査する方法(年を重ねた個体は年輪の形が変形するなどして測定が難しい場合がある)などが主流だった。
今回ホホジロザメの寿命を調査した際に、冷戦時代に世界中で行われた核実験で放出された放射性物質の痕跡(単純に放射性物質を含むだけの個体では、生息海域や成長過程で微量な放射性物質が取り込まれた可能性もあるので、体内に含まれる放射性物質が異様に多い個体は核実験で放出された放射性物質の影響を受けていると考えられる)が検出されたために、1950年前後から生き延びている個体であることが判明した。
年齢はなんと73歳である。
サメの中ではジンベイザメなどが100年を超える寿命を持っているとされ、ホホジロザメの寿命に関しても20年前後というデータに懐疑的な意見があった。
新しい発見によってサメの新たな事実が判明しただけでなく、寿命が長い個体が存在するということは、サメの生息数が減っている場合により深刻度を増すことになる(新たに誕生する個体のサメ全体の生息数における割合が減るため)。
サメの保護につながる重要な発見となるだろう。