ブラジル最大の都市サンパウロで大気汚染が深刻な問題となっている。
なんと大気汚染による死者が交通事故による死者よりも多いという。
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2014年ワールドカップでは開幕戦が行われるだけでなく、新興国ブラジルの中でも最大の都市であるために世界中の注目が集まっているサンパウロ。
Health and Sustainability Instituteの調査によると、サンパウロ市内での交通事故の死亡者が1556人なのに対して大気汚染が原因で死亡した人数は6455人と、およそ3倍の差が出た。
またサンパウロ市だけでなくサンパウロ州全体でも同様の傾向がみられ、州全体では交通事故による死者が7900人なのに対して大気汚染関連死は15000人ほどである。
このことから、地域全体に大気汚染の影響がみられることは確かだが、より大きな都市部に近づくにつれてその影響が大きくなっていると考えられる。
新興国の大気汚染問題はかつて先進各国でも発生した問題と同じで、ある意味で発展(工業化や機械化)には必ず付いて回る産物で、避けては通れない現象と考えられる。
1952年にはロンドンでロンドンスモッグという史上最大の12000人を超える死者を出した大気汚染公害が発生し(これは日本の四日市ぜんそくと同じSOxという物質が原因で発生している)、日本でも1960年に四日市ぜんそくが発生している。
近頃話題となっている中国の大気汚染問題も、非常に深刻な被害をもたらし、日本にまで微小粒子状物質(PM2.5)が飛散する事態となっている。
現在、大気汚染から地球を守る方法が国連などで議論されているが、
先進国側の
「新興国は温室効果ガス削減に力を入れるべき、発展の権利はあるが環境を壊す権利はなく、また先進国が無償で技術供与をする義務もない」
という意見と、
新興国側の
「先進国はかつて温室効果ガスを輩出した、新興国側に責任転嫁しているだけでなく、先進国は温室効果ガスを削減する技術を新興国側に提供するべき」
という意見が対立しているために全く進展していない現状がある。
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