地球に生息する生物達は幾重にも張られたバリアによって守られている。
宇宙から降り注ぐ有害な紫外線や、毎日のように降り注いでいる隕石等、仮に地上に到達すれば人間を含めた全ての生物にとって脅威となる。これらを防ぐ役割を果たしている存在こそ、大気やオゾン層のように肉眼では見えないバリアだ。
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例えば隕石の襲来。流星群のような隕石は、仮に地球にやって来ても地上まで到達することは稀だ。その理由は、地球を覆う大気との間に生じる摩擦の影響で隕石が燃え尽きるからだ。
地球の衛生である月には多くのクレーターが残っているが、地球と違って大気が無いため、隕石の直撃を受けたことが原因である(地球と違って地殻変動や水の浸食が無いので保存状態が良いことも原因)。
そしてもう1つ、地球環境や生物を守っている存在がある。オゾン層だ。
太陽の光には生物にとって有害な紫外線が含まれていて、日焼けの原因だけでなく、皮膚がんや白内障の原因にもなる。この紫外線を防いでいる存在こそがオゾン層なのだが、少し前からこのオゾン層が消滅の危機にあることが判明し、大きな問題になっている。
我々の生活に密着している冷蔵庫やクーラーに使われているフロンガスは、無味無臭で科学的に安定している便利なガスとして知られている。しかし、安定している性質が裏目に出て、製品が廃棄される際、何の処理もされずに放出されたフロンガスは分解されることなく成層圏まで達して塩素分子を放出する。塩素分子にはオゾンを酸素に変える働きがあり、オゾンが減少している部分、すなわちオゾンホールを生み出す。
オゾンホールは主に極地で観測される。通常、雲は成層圏に発生することは無いのだが、極地では雲が発生し、雲の中に塩素が溜まって成層圏のオゾンを破壊してしまうからだ。
現在はフロンガスの規制や対策が行われている。人工的にオゾン層を復活させることは不可能だが、大気中のフロンガスを減らすことで数十年以内にオゾンホールは小さくなると考えられている。