温暖化や寒冷化。
それに伴う異常気象の発生が多く報告されているが、その原因は太陽などの外的要因ではなく、地球そのもの(解釈次第ではあらゆる現象の原因は地球であるが)の自浄作用であるという理論。
名をガイア理論という。
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人間を含む生命体には自浄作用がある。
これは人間で例えると体外からの異物を排除するアレルギー反応や、風邪で熱を出す(病源菌を殺すために熱を出す)ということが当てはまるのだが、この性質を地球そのものに当てはめて考えることが地球生命体ガイア理論である。
つまり、地球で異常気象などの災害が起きている理由は地球自身の自浄作用によるものであるという考えだ。
イギリス人科学者ジェームズ・ラブロックによって提唱されたこの理論は、地球が誕生してから40億年の間に一定の環境を維持してきたことに着目し、地球を人間と同じ生命であるととらえた。
この理論によると、今の時代になって地球という生命の活動は急激に衰えを見せ始め、その大きな原因は人類の存在であるという。
石炭が燃として使用されるようになった産業革命以降、石炭や石油などの使用によって発生した多くの環境破壊が原因となり地球の大気や海流のバランスを崩しているため、世界各地で異常気象が起きているという。
人口の爆発的増加、核兵器の開発、地球を脅かす要因は多い。
このガイア理論の立場に立ってみると、人間は地球にとって非常に厄介な存在であるという考えに行き当たる。
人間を癌細胞に例えると、地球(体)は体中に癌(大気汚染)が広がり、血液の流れ(海水量が増えることによる海流の変化)や体表面の炎症(砂漠化や酸性雨)が起きている。そのため原因である癌細胞(人間)を取り除くために自浄作用(異常気象)が頻繁に起きている。
これがガイア理論の結論である。
この理論は例え話とされることが多い。
しかし、地球の異常気象が自浄作用(のようなもの)という理論もあながち的外れではないのだ。
また、ガイア理論は人間の潜在的な危険性を例えたものであり、人間の存在を否定しているものではない。