我々の住んでる地球は緑と海が広がる惑星だが、
常にそのような美しい姿をしているわけではない。
地球が誕生して46億年、
その長い時間の中で地球は何度かその姿を劇的に変えている。
その1つが全球凍結という状態である。
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全球凍結とはおよそ22億年前と6億年前と2度にわたって地球におきた現象であり、
文字通り地球全体が氷の世界に覆われた現象である。
地球は46億年の歴史の中で幾度となく氷河期を迎えている。
氷河期自体は意外にも我々にとって身近なものであり、
現在も、新生代後期氷河時代と呼ばれる氷河期の真っ最中で、
氷河期の中で比較的温暖な間氷期という時期にあたる。
そして幾度となく氷河期が訪れている地球だが、
多くの氷河期には陸地のほとんどが凍っていたわけではない。
むしろ凍っていた地域の方が少ないことの方が多い。
全球凍結状態となった地球は現在とは全く違う環境となり、その特徴は
・赤道付近の最高気温が-50℃
・地球全体を厚さ1000mの氷河が覆う(海も1000mの氷に覆われる)
・全球凍結の状態が数百万年間続いた
生物に与える被害も甚大で、一般的な氷河期とは比べ物にならないものだった。
陸上の生物は地球全体が氷に覆われるため(気温は-50℃)壊滅状態に、
海の生物は氷の下1000mに移動するも日光が届かないために植物プランクトンが死滅し、
植物プランクトンを餌としていた生物たちは餌が無くなり死滅したと考えられている。
結果的にあらゆる生物生物が死に絶えた。
大量絶滅である。
全球凍結の原因やメカニズムは現在までよくわかっていないが、
メタンガスを出すメタン菌と呼ばれる微生物が原因とする説がある。
メタン菌が作り出すメタンガスは二酸化炭素の20倍の温室効果があり、当時の地球を温暖に保っていたとされている。
そこに光合成生物(植物プランクトン)が現れ、光合成により酸素が大量に排出される。
メタンガスは酸素と反応しやすいために、化学変化が起こり水と二酸化炭素が発生する
(CH4+O2=CO2+2H2O)
二酸化炭素が排出されてもメタンガスに比べれば温室効果の差は歴然としている。
メタンが二酸化炭素に変わるのだからそれに伴って温室効果も少なくなり、
地球全体の気温が低下していったと考えられている。
わかりやすくザックリ言ってしまうと、地球温暖化と真逆のことが起きたということ。
メタンガスと二酸化炭素と酸素という、地球温暖化を語る上で欠かせないこれらの要素が
全球凍結の際も重要な役割を果たしているということである。
地球の気温をつかさどる要素は太陽だけでなく、
地球上を覆っている気体のバランスによって決まっていると言っても過言ではないだろう。
そんな全球凍結の終わりは火山活動によるものと推測されている。
巨大な噴火が一気に地球上に影響を与えたというものではなく、
・噴火によって二酸化炭素が大気中に放出される
↓
・海が凍っているために、海に二酸化炭素が吸収されず大気中の二酸化炭素濃度が上がる
↓
・温室効果によって少しずつ(数百万年単位で)気温が上がっていった。
という流れによって地球は全球凍結の時代に終わりを告げたと考えられている。