top 日本から1600kmの海底に太陽系最大の火山が発見される
地球の各地に存在しいる海底火山。
海の中に隠れているためにその調査はあまり進んでいない。

2013年9月5日に英科学誌ネイチャージオサイエンスでぱっぴょうされた論文に興味深い記事がある。

なんと太平洋の太陽系最大の火山があるというものだ。

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米テキサスA&M大学(Texas A&M University)のウィリアム・セーガー(William Sager)氏率いる研究チームが発表した論文によると、タム山塊(Tamu Massif)と呼ばれるこの火山は、太平洋の海底にある台地、シャツキー海台(Shatsky Rise)の一部で、日本の東方約1600キロに位置している。

タム山塊は、約1億4400万年前の噴火で吹き出した溶岩が盾状に固まった単一の巨大な丸いドームから成っている。面積は約31万平方キロで、英国とアイルランドを合わせた面積に相当する。海底から頂上までの高さは約3500メートルに達する。

研究チームは論文の中で「タム山塊は、世界で知られている中で最大の単一の中央火山だ」と報告している。面積では「英国諸島(British Isles)や、太陽系内で最大の火山とみなされている火星のオリンポス山(Olympus Mons)とほぼ同じ」だが「オリンポス山は標高が2万メートル以上なので巨人のように見えるが、体積は(タム山塊と比べ)約25%大きいだけだ」という。また、オリンポス山の「根」は比較的浅いが、タム山塊は約30キロもの深さの根を地殻内に張っている。

海洋測量士らはこれまで、タム山塊を複数の火山から成る広大な火山系だと考えていた。この種の火山系は、世界中に十数個ほど存在する。

研究チームは、海底掘削プロジェクトで採取された岩石試料のデータと、調査船に搭載された深部地震探査装置で得られた海底地図を組み合わせ、タム山塊の全体像の解明を試みた。その結果、タム山塊が超巨大な単一の火山であることが分かり、他の太陽系惑星にある超巨大火山と同類の火山が地球上にも存在することが示唆されたという。「地球にある超巨大火山は、海の下という良い隠れ場所があるために、理解がほとんど進んでいない」と論文は指摘している。

AFP通信より

海底火山はその名の通り海底に存在する火山で、姿かたち」は陸上に存在している火山と同じようなものである。
今回発見された海底火山は巨大なものであるが、海底火山が巨大であること自体は全く不思議なことではなく、
海が地球の面積の70%を海が占めていることから火山の絶対量そのものが陸地より大きいこと。
ハワイのキラウエア火山ように、島そのものが巨大な海底火山の噴火口周辺であったりすることから海底火山の巨大さはすでに証明されているといっていいだろう。
また火山帯のほとんどは海の中にある
800px Pacific Ring of Fire.svg 日本から1600kmの海底に太陽系最大の火山が発見される

今回発見された海底火山の高さは3500mと富士山の3776mより少し低い。
高さはそれほどでもないのに太陽系最大という結論に至った理由は火山そのものの面積だ。

論文中にある世界最大の単一中央火山とあるが、
中央火山とは中心噴火(火山中央部の1つの火口で起きる噴火)によって形成された火山のことである。

火星のオリンポス山というのは火星に存在する今日まで太陽系最大とされてきた巨大火山である。
644px Olympus Mons 日本から1600kmの海底に太陽系最大の火山が発見される
・標高は27000mとエベレストの3倍
・裾野の直径は550km
・火口(カルデラ)に富士山が収まる大きさ

このオリンポス山の他にも木星の衛星であるイオなどで火山の存在が確認されているが、
まさか地球に太陽系最大の火山があることには驚きだ(他の惑星や衛星を調べつくしているわけではないが)。

調査が進めば今後はさらにおおきな火山が発見されるかもしれない。