ペルーの主要な輸出産業の一つにフカヒレの輸出がある。
フカヒレはサメのヒレ(尾ビレあ背ビレ)を使った高級食材で、当然その調達には本物のサメが必要になる。
本物のサメが必要な事実とは裏腹に、乱獲によって個体数減少が囁かれているサメを見つけることも難しくなっている。そこでサメを上手におびき寄せるための餌として白羽の矢が立ったのがイルカである。
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イルカが餌として使われる理由は実にシンプルなものである。
これはサメの習性を利用した漁のポピュラーな手段である。
はるか遠くの血の臭いを嗅ぎ付けるというサメの習性を利用しておびき出すためには、より多くの餌が必要になる。一般的にはイカや魚のミンチなどが使われることが多いが、どうやらイルカの発する臭いはサメをより引きつけやすいらしく、結果的にイルカを捕獲してサメをおびき出すために使用しているのだ。
フカヒレの需要に目を付けた違法操業者によるサメの乱獲にも、同じようにイルカが餌として使われているため、把握されていない場所でもイルカが多数捕獲されていると考えられる。
これらのことから、ペルー国内で年間にイルカがサメの餌として利用されるために捕獲された量は年間15000頭に上り、現状を重く見たペルー政府はサメとイルカの漁自体の取り締まり強化に着手。最終的に全面禁漁の可能性もあるという。
サメとイルカは見た目こそ似ているかもしれないが、実はサメの方がデリケートな動物なのだ。
イルカなどのクジラの仲間はある程度の水温の変化に耐えることができる。そして体を覆う骨格も頑丈なものであるのに対し、サメは水温の変化に耐えることができず、軟骨魚類であるため、体に少しの衝撃が加わるだけで命の危機にさらされる。
このことから、イルカよりもサメの方が絶滅に向かう可能性が高いと考えられている。
今回の事例はどうやらイルカの乱獲が問題視されているようである。
しかし、イルカは調査捕鯨や乱獲によって数を減していると思われがちだが、一説によると世界中のイルカの生息数は減少するどころか逆に増えているという指摘もある。
状況だけを考えればイルカを不用に殺していると考えることができる事例だが、なぜなのかシーシェパードはまだ登場していないようである。