ブラック企業が社会問題になっている今日。
社会問題になっているといっても、その対策は全く進むことなく、多くの労働者にとって生活しにくい環境が蔓延している。
そんなブラック企業であるが、厚生労働省の調査によると若者の離職率が高いなどの問題点が指摘される企業の中で約8割にも及ぶ企業で法令違反が、ブラック企業が蔓延していることが判明した。
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その結果43%の2200企業で違法な時間外労働(長時間労働)の疑いが指摘され、24%にあたる1200企業で残業代の不払いが見つかるなど、80%の企業でで労働基準の違反があったことが判明した。
中には名ばかり管理職を多くすることで残業代を意図的に払わないようにしたりといった実に巧妙な手口で人件費を削減しているなどの悪質な企業も存在した。
残業代の未払いはブラック企業で最もよく見かける手口であるが、不景気で雇用が少ないことが労働者にとって足枷となってあまり表ざたにしたくないという心理が働き、結果的に泣き寝入りする状況が多くの場所で長く続いてきたため、社会全体にあたかも当然のように蔓延することになっている。
日本では労働者が会社の金を1円でも横領した場合に大きな問題となるが、残業代を100万円単位で未払いであっても御咎め無しという実に矛盾したことが起きている。
また、罰則規定が曖昧であることや、役所の人間も所詮人間であることから多くの場所で多くの調査を実施していない現状がある。
またブラック企業という呼び名も、日本人に深刻な問題であるという認識を抱かせるには不適切である。これらは単純に法令違反企業と公表することが好ましいだろう。
ブラック企業の定義はあいまいである。そのため自身の会社がブラック企業であるのかということがわかりにくい場合が多い。
自身は疑問を感じていても、上司や周りの人間が自身の置かれている環境はブラックではないとしてしまえばそれまでどいうのが現状だ。
今後はブラック企業の定義を明確化すること、法令違反に対しては重い罰則を設けることが重要になって来る。
立法府は経営者側の方を持つ場合が多い。
票数という意味では労働者側が大切であるが、自身への資金援助や組織票の観点から経営者側に立った法律は今後も継続されていくと考えられる。
1人1人が問題を公表し、少しずつ社会を変えていくしか方法は無いのだろうか。