少年兵という存在を教科書の中で知った人は多いだろう。
かつてアフリカでは民族紛争や国境を巡る争いから紛争が絶えることなく、実に多くの男性が兵士として武器を取り戦場へ向かっていた。
その中には少年兵と呼ばれる子供の兵士たちも存在し、世界中に衝撃を与えていた。
今では教科書の中の出来事と思われがちな少年兵の存在。
なんと中央アフリカにて再び少年兵の存在が浮き彫りになっている。
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紛争地帯となっているのは中央アフリカの首都ハンギ。
ハンギはアフリカの国では珍しくキリスト教とイスラム教が共存する町として知られている。
このように聞けば、異文化が交錯するとても魅力的な都市であるという印象を受ける人もいるかもしれない。
本来治安が良く平和な国ならばそのような魅力的な場所となっているはずだが、実際のハンギでは宗教間の対立が表面化し、ついには紛争となってしまっているのだ。
宗教間対立であるためにその根はとても深く、そもそもの根拠が宗教であるために停戦すら難しく、紛争は広がりを見せている。
その紛争が広がる中で武装した少年兵の存在が明らかになった。
少年兵とは18歳未満の人間を兵士とすることをいい、国連では2000年に武力紛争における児童の関与に関する児童の権利に関する条約選択議定書として18歳未満の児童の強制的徴集及び敵対行為への参加を禁止しているのだが、実際にはあまり効果を成していないという声も少なくない。
中央アフリカにおいても少年兵の存在が確認されているが、そもそも国連の決定を順守するような人間ならば宗教間の対立に対して紛争という手段を取らないことから問題の解決は時間を要すると思われる。
ちなみに、中央アフリカのホジセ大統領すら国外に亡命しているために国内の統治機構が機能していないと見られ(一応ミシェル・ジョトディア氏が大統領として就任しているが、元反政府勢力のリーダーであることから完全な統治や安定は程遠い)、そのため国内で少年兵の存在に異を唱える人間もほとんどいないと思われる。
若くして戦場をかける少年たちがどのように成長するのか、戦場慣れなどという事態になってしまうのかなど懸念は多い。
教科書の中の出来事と思われがちな少年兵の存在。
今も確かにその姿は残っているのだ。