1FD0570C 2251 4C34 B3C8 ADE4F853789B mw1024 n s 900x626 汚職疑惑の元中国共産党最高指導部、周永康氏の逮捕目前か?背景には権力争いの可能性あり。
13億人という世界最多の人口を有する大国である中国。その国を束ねているのは共産党員の中のトップ7人(以前は9人)である。

これを共産党最高指導部といういい、その権力は絶大なものである。

これまで汚職など数々の疑惑が浮かんでいた共産党政府であるが、ここにきて元最高指導部のメンバーである周永康氏が逮捕されるのではないかという憶測が各地に広がっている。

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政治の中枢にいた人間が逮捕されることは世界的に珍しいことではない。

日本では田中角栄がロッキード事件により逮捕され、韓国では毎回のように元大統領が逮捕され、イタリアでもベルルスコーニ元首相も逮捕されたことがあるなどの政治スキャンダルは多く存在する。

しかし、中国の場合は少し事情が違うのだ。

共産党一党独裁を成立させている中国では、共産党内の関係者が逮捕されることなど本来あってはならないことである。それは国民の政府への不信感が蔓延することを防ぐことが最大の目的で、以前元重慶市共産党書記長(事実上重慶市のトップ)である薄熙来氏(はくきらい)が拷問や汚職による不正蓄財で逮捕された際には、共産党が汚職した人間に対して正義の裁きを下したというように報道されていたが、その実態は権力闘争であるとの見方が根強い。
20130724050727809 900x601 汚職疑惑の元中国共産党最高指導部、周永康氏の逮捕目前か?背景には権力争いの可能性あり。
今回話題になっている周永康氏もどうやらそれらと同じ権力争いの渦中にあるようだ。

北京石油学院を卒業した周永康氏は中国石油ガス総公司という民間企業(実際には社内に共産党員のグループが存在し、共産党政府の影響力が多くある)のトップになり、莫大な利益を上げるだけでなく共産党員としても確固たる地位を占めていった。

役職は国務委員や公安部長を務め、司法権と検察権、さらには警察をも宮司る立場に上り詰め、後に最高指導部入りして現在は引退した周永康氏であるが、その影響力は未だに大きく残り、今なお終わることなく続く共産党内の権力争いを続けていると見られている。

周永康氏は先述した薄熙来氏と親しく、現中国トップの習近平氏とは対立関係にあることから、この度逮捕という形を持って失脚を狙う動きがあると報じられている。
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どうやら現在は外堀を埋める段階にあるようで、大企業の会長を務める周永康氏の息子が大規模な汚職をしたという疑惑を足掛かりにし、同企業の役員が当局の役員に身柄を拘束され取り調べを受けている。

この捜査が最終的に何処まで及ぶのか現時点では不透明である。

元共産党最高指導部には捜査権が及ばないという不文律が存在すること、さらに共産党の大きな腐敗を内外に露呈することになる一方で、習近平氏の掲げる腐敗の一掃や権力基盤の強化という観点から、結果はどちらに転ぶ可能性があると考えられる。

今後動きがあれば世界に衝撃を与える大きな事件となるだろう。