日本の誇る技術が再び世界から賞賛されるかもしれない。
これまで幾度となく開発されてきた深海探査船。日本の誇る技術の粋を尽くし、世界に賞賛されてきた深海探査船「しんかい」シリーズ。
その最新型となり、これまで使用されてきたしんかい6500の後継機であるしんかい12000を2023年の就航に向けて開発中であると報道された。
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水深12000mというのは、現行の深海探査船深海6500の潜水可能な深さのおおよそ2倍にもなる深さで、まさに前人未到の水域なのだ。
ちなみに地球上で最も深い海はマリアナ海溝のチャレンジャー海淵、水深10911mである。
つまり今回発表されたしんかい12000は、これまで人間が知る最も深い場所への潜水を可能にしているということ、実現すれば人間は今後全ての海の謎を解き明かすために大きな一歩を踏み出したことになる。
そしてしんかい12000にはもう1つの特徴がある。
なんと全長15mの船内で人間が最大で4人も、最長で2~3日間生活することが出来るのだ。
それこそ日本の技術が最大限に生かされたもので、これまで深海探査はその危険性からあくまで有人で潜ることが出来ても、その状態(有人)での長時間の調査活動は行われていなかった(50年前にイタリアの潜水艇トリエステ号がチャレンジャー海域最深部に到達している)。
有人での深海探査は特に危険なもので、何重にも安全を守るシステムが施されているものの、重いワイヤーによって沈めているため常にワイヤー切断のリスクが伴い、最悪の場合には深海に置いてけぼりということにもなりかねない。
今回のしんかい12000はそのような安全面でも、不慮の事故があっても乗組員が一定の期間は生存可能(機体が破損していなければ)になると見られ、性能面だけでなく安全面でも世界最先端を行くことになるだろう。