地球温暖化はあらゆる環境変化や異常気象の原因である。これは今を生きる人ならば毎日のように聞くであろうこの言葉はもはや世界共通の認識となっている。
その一方で地球温暖化懐疑論という、本来地球温暖化は起きていないのではないかという説も存在する。多くの人はそれを否定するが、実際に温暖化に疑問を投げかける事件が起きている。
クライメートゲート事件である。
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IPCCは国連環境計画と世界気象機関とが合同で設立した組織で、世界中の専門家が所属していることから現時点で最も信用のおける情報源とされている。またIPCCが5年に1度発表する地球温暖化報告書は、世界中に温暖化の進行具合や具体的対策の指示を促すものとして役立っている。
2007年にIPCCが発表した報告書では、今後予測される地球温暖化による環境の変化の詳細(2035年までにヒマラヤの氷河は全て溶け、アマゾンの熱帯雨林やオランダの国土面積は半分以下になるというもの)が予測され、世界中に与えた影響の大きさなどが評価されてノーベル平和賞を受賞するに至った。
これだけを聞けばIPCCが素晴らしい機関であるという認識を持つ。事実、IPCCの規模や信頼性が高いことは否定の余地も無いのだが、2009年を境に雲行が怪しくなる。
IPCCがこれまでに発表してきた情報の中には嘘が掲載されているとした情報が温暖化懐疑派のホームページにアップされた。I温暖化の及ぼす影響の発表に際して内容や数字を誇張していたことがリークされたのだ。
これをクライメートゲート事件(気候研究ユニット・メール流出事件)という。
組織的に温暖化懐疑論派の論文を排除する動きだけでなく、先述したヒマラヤの氷河消滅には根拠が全く無く、オランダなどでは国土の半分ではなく26%が海になるという事実も明らかになった。これら環境の変化は深刻な問題であることに変わりはないが、仮に温暖化の原因や予測がIPCCの都合によってある程度操作されたものならば各国がとるべき今後の対策は不透明となってしまう。
そして温暖化に疑問を持つ人間は異端視されて研究資金が凍結されるという事態も起きていたことが明らかになったことから、温暖化の原因に対する疑問を持つ人間が増えるきっかけとなった。
一方でこのクライメートゲート事件は温暖化肯定論に対して何の意味も持たないという意見が多いことも記述する必要がある。
同時に地球温暖化による利権の発生も問題視されている。エコキャンペーン(エコカー減税や省エネ家電等)は聞こえがいいもので、実際に家計のランニングコストが安くなるという利点もある。しかし、仮に温暖化の原因が地球のサイクルによるものであった場合には温暖化の名のもとにエコ商品を展開することや国が企業と連携してエコ商品をPRすることに疑問が投げかけられる可能性もある。
これだけのことが判明すればIPCCの信頼だけでなく、温暖化そのものに疑問が浮かぶこともある意味で当然かもしれない。