「病気は気から」という言葉、日本人ならば誰でも1度は聞いたことがあるかもしれない。
実際に風邪をひいた人に対して小麦粉などを薬として飲ませたところ、なんと症状が良くなったいう事例は各地で報告されている(時間が経過して免疫が機能しただけであるという説もある)。
このように思い込みが体調に思わぬ影響を与えることをプラシーボ効果という。
スポンサードリンク
実際には薬の効果に対して使われる言葉であるが、近頃は薬以外でも思い込みによる体調の変化全般に使用されるようになっている。
プラシーボ効果はこれまでにも指摘され、実際に欧米ではプラシーボ効果を利用した医療(薬を使わないため体への負担が小さい)が行われている。しかし意外なことにプラシーボに関するあまり研究は進んでいなかった。
プラシーボ効果について多く指摘されていることは、脳が人体に直接的な影響を及ぼしているという説である。これはプラシーボ効果の説明でも頻繁に使用されるもので、俗にいう脳の勘違い。怪我や病気を治したいという願望を持つ人間が薬の効果を信じることで脳内から痛みや苦しみを和らげる物質が放出されることであたかも回復したかのように感じるというものだ。
アメリカで行われた実験では鬱病の患者をグループ分けし、一方のグループには鬱病の薬を服用させ、もう一方のグループには偽薬を服用させてそれぞれの脳波を調査したところ、なんと双方の脳波が全く同じ反応が出ていた報告されている。
脳にとっては良薬も偽薬も同じものとして扱われるということだ。
病気は気から、信じる者は救われるということなのか。
今後の研究が待たれる。