利き手はどのように決まるのか、遺伝だけでは説明出来ず。

右利きと左利き。人間にはそれぞれ利き手という概念が存在し、人は自らの得意な方の手を使って日常生活を送る。

結論から述べてしまうと、そんな利き手の謎は今もまだ解明されていない部分が多く、遺伝であると見解と遺伝では説明がつかないのではないかという見解がそれぞれ存在するという現状だ。

日本に生まれると箸は右手茶碗は左手というような教育を受ける。日本人は成長の過程である種の矯正を施されるため、本来の利き手はわからなくなってしまう場合が多い。

日用品の多くが右利きであるように、日本人の多くは右利きであり、生まれつき左利きの人は全体の5～10％程度とされている。

HN利き手テストというもので利き手の判定こそ出来るのだが、実際に利き手を決める要因は判明していない。

左利きの母親から生まれる子供が左利きである確率は、右利きの母親から生まれた子供が左利きになる確率よりも2倍多いという統計結果が存在し、利き手には遺伝が関係しているのではないかという説の根拠となっているのだが、遺伝子が同じである一卵性双生児でも利き手が違う場合もあり、必ずしも遺伝は利き手を決める要素ではないという反論がある。

利き手の決定は遺伝ではないとするならば一体どこに原因があるのか、そんな疑問を持った研究者たちは脳科学に注目した。

人間の脳には右脳(空間・音の認識)と左脳(情報処理・分析)が存在しそれぞれの役割が異なっているのだが、共通する点として運動野という部分があり、左手を動かす際には右脳から、右手を動かす際には左脳から指令が出ていることが判明している。つまり右脳と左脳のどちらかの指令が強いかということが利き手を決める要因ではないかというのだ。

そんな説の一方で、利き手は幼少期からの馴れではないかという単純な説も存在する。確かに日本人が左利きから右利きに矯正している点を見ると、後天的な要素で利き手が決まっていると考えても不思議ではないのだ。

利き手というとても身近な存在の中にも未知が満ちているのだ。