人は誰でも睡眠中に夢を見ることがある。
現在も夢の正体やそのメカニズムの詳細は解明されていないが、脳が夢に関係している可能性が高いことが判明している。
何故人間は夢を見るのだろうか。
スポンサードリンク
夢は眠るたびに見るというものではなく、全く予期していないタイミングで我々の前に姿を現す(一説には、人間は睡眠中に必ず夢を見るが、起床と同時に忘れてしまうために記憶に残っていないという説もある)。
しかし、確かに夢を見ている実感を持つことがあるように(夢の内容を覚えている)、睡眠中の出来事を認識しているということはその間脳は活動を続けているということになる。
人間の睡眠は90分サイクルで異なる眠りを繰り返していることが判明しており、短くて浅いレム睡眠・長くて深いノンレム睡眠に分類され、そのなかで夢を見るのはレム睡眠時である。
何故レム睡眠時に夢を見るのだろうか。現在までの長い研究によってわかってきたことは先述した睡眠と脳の関係である。
睡眠中に脳内で何が起きているのか。現在までに考えられている2つの学説は
・昼間の行動による経験の中から重要事項を保存しているという説
・昼間の行動による経験の中から不要なものを消去しているという説
に分かれている。
コンピューターがメモリ不足で動かなくなるように、人間の脳も情報に溢れてしまうとその活動を鈍らせるのではないかという考えが根拠となっている。
これらの説は一見すると保存と消去という相反する働きのようであるが、情報を整理するという点では全く同じである。
また心理学者の中には、目覚めていた時に処理しきれなかった意識が感情として蓄積された結果、その感情を夢として見ているのではないかと考える者もいる。この説も起きている間に脳に蓄えられた情報を処理するという点では上記の説と似通っている。
全く別の見解としては、脳幹の神経が集中した部分が脳の中枢へと何らかの信号を発信することで夢となり、これは脳の生理現象に過ぎないというものがある。
これらは現在まで提唱されている説であり、根本的な原因を解明するには至っていない。
