東南アジアや南米を目的地として海外旅行に行く場合、多くの場合は予防接種が必要である。それは現地で日本には無い感染症があるからである。
危険な感染症は蚊を媒体としていることが多く、比較的知名度が高い感染症はマラリアである。しかし、実際に危険な感染症はマラリアだけではない。
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マラリアは40°近い熱が長く続く症状が表れるもので、蚊の運んでくる病気といえばこの感染症が真っ先に挙げられるほどに有名な感染症である。
しかし、実際に蚊が運ぶ感染症はマラリア意外にもいくつか存在する。
その中でも日本人にとって馴染み深い蚊が原因の感染症は日本脳炎である。
日本人は予防接種で全員がこの感染症のワクチンを接種するため、日本脳炎の名前を耳にする機会は少なくない。
名前に日本と付いているが、日本固有の感染症というわけではなく東南アジアなどでも見られる感染症で、感染して発症した場合には光をまぶしく感じたり場合によっては麻痺を発症する。症状が重くなると意識障害に昏睡状態に発展して命を落とすことになる。
そして、日本脳炎が発症した場合の致死率は30%にもなる。
しかし、日本脳炎が発症する確率は1~0.1%と非常に低く、ほとんど発症することが無い感染症であることも事実である。WHOの発表では年間に4000人が発病し、その内1000人が死亡しているという。
この数字は潜在的な感染者が年間で40万人にもなる可能性があるということ表している。また、日本では撲滅していると思い込んでいる人が多いが、実際には年間10人程度が発病している。
そして、蚊が運ぶもう1つの感染症はテング熱である。
テング熱は非常に恐ろしい感染症で、非常に発症率が高い。東南アジアや南米で流行していて年間に50万人が発病している。
テング熱の症状は蚊に刺されて数日後に高熱を発症することから始まり、1週間ほどその状態が続く。多くの場合はこのまま快方に向かうのだが極稀にテング出血熱という病気に派生することがある。
テング熱の脅威はこのテング出血熱にあるといっても過言ではなく、運悪く出血熱になってしまえば50%の確率で死亡する。2001年にはハワイでテング出血熱が発生して話題になった。
幸運なことに、日本に存在する蚊は比較的安全な種類が多い。そのため、日本人の多くは免疫を持っていない。予防接種も大切だが、海外へ行った際には蚊に刺されないように気を付けることが最優先だ。