キタキツネを感染源としている寄生虫、その名もエキノコックス。
これまでは北海道で被害が報告されていたのだが、どうやら本州へと侵入し徐々に南下を続けているということが判明した。
現在は愛知県まで南下していることが確認されている。
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体内で孵化した幼虫は血液に乗って肝臓まで運ばれて増殖し、徐々に食い荒らしていく。仮に感染直後に摘出することが出来れば大事には至らないのだが、エキノコックスには殆ど自覚症状が無い。成人の場合、自覚症状が表れるのは感染から10年後ともされ、その間に肝臓のほとんどが食い荒らされて正常な部分は全く残っていないという事態となる。
よってエキノコックスが発症した際の死亡率は90%と非常に高いものとなっている。
エキノコックスは日本に存在していなかった寄生虫であったが、1937年に北海道礼文島へ輸入されたキツネから広まっていった。
北海道内で広がりを見せていたエキノコックスは、2005年に埼玉県内の野犬から発見され、本州での感染拡大が懸念されている真っ最中であった。
この度、愛知県の犬の糞からエキノコックスが発見されたことにより、本州で着実に広がりを見せていることが改めて判明することとなった。
現在は衛生的な環境が広がっているため、エキノコックスを取り込んでしまう可能性は少ないかもしれないが、最悪の場合には日本全域に広がりを見せるだろう。