ゲーリー廃墟地帯、ホラー映画ロケのメッカ。

ハリウッドで生み出されてきた数々の映画。

その中でもアカデミー賞等の候補には挙がらないものの、ホラー映画ほど世界中の人々の記憶に残ったジャンルの映画はあまりないのではないだろうか。

そんな数々のホラー映画を生み出してきたアメリカには、そのロケ地としてこれ以上ないという場所が存在する。

インディアナ州の都市ゲーリーは、かつて製鉄業の工場が立ち並び、そこで働く人やその家族等の多くの人々が行きかう賑やかな場所だった。

そうして人口と所得が急速に減り犯罪が蔓延する都市へと変貌し、1997年と1998年には全米で最も危険な都市という不名誉な認定を受けた悪名高い場所となってしまった。

そんなゲーリーにはもう1つの側面が、ホラー映画ロケ地のメッカという面がある。

マイケルジャクソンの出身地がゲーリーであることが関連しているのかは定かではないが、この都市の至るとことに今も残っている廃墟後では多くのホラー映画が撮影されるようになった(日本で知られているアメリカのホラー映画は極一部)。

2010年にワーナーブラザースがリメイクした「エルム街の悪夢」はゲーリーで撮影されている(フレディ・クルーガーの潜むアパートや高校の廃墟シーン等)。また、聖職者の殺人事件を題材とした映画もゲーリーの教会で撮影されている。

かつて栄えた都市での失業者増加やそれに伴う犯罪による治安の悪化、ゲーリーが辿った運命は現在のデトロイトにも似た者を感じる人は多いだろう。今後新たにゲーリーのような都市が出現するのも時間の問題だろう。