高層ビルと聞いた時に多くの人は六本木ヒルズのような美しい建物を思い浮かべるだろう。
しかし高層ビル=美しくて素晴らしいという認識は万国共通とはいかないようで、世界にはお世辞にも美しいとは表現できない高層ビルが、まるでスラム街がそっくりそのまま収まったような建物が存在する。
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スラム街がそっくりそのまま収まったような建物という表現は適切ではないかもしれないが、南米ベネズエラで3番目に高い建物であるデイビッド・タワー(45階建て)はそれ以外の表現を探すことの方が難しいかもしれない。
1990年に建設が開始されるも金融危機の影響を受けてたった4年で工事が中断されたまま現在に至り、今後も工事再開の目途は立っていない。
工事が中断されてから現在までの間に周辺の貧困層に占拠されてしまい、今では約800近い世帯(人数にすれば2500人以上)が暮らす巨大なスラムタワーとなってしまっているのだ。中には無免許で医療行為を行う者もいるなど、どのような者達が生活しているのかという全貌はつかめていないのだ。
また建物そのものが未完成であるため、エレベーターはおろかガスや水道も、さらには階段の手すりも付いていない状況であったが、住民たちによって簡易的に設置され、今では地上22階まで水道が通っている。
また中途半端なまま建設がストップしている影響もあり、一部からはこの建物は崩壊の危険性が高いと指摘されている。そして貧困層にとっては無くてはならない住居となっていることも事実なのだ。
日本では考えられないような状況が広がっているデイビッドタワー。思わず視野が広がる光景だろう。