世界で最も謎に満ちた館、そんな異名を持つのがウィンチェスター・ミステリーハウスである。
この館は38年間に渡って増築され続け、その結果あまりに広大で異様な光景が広がる建物が完成した。
今でも全米屈指のミステリースポットとして多くの人を賑わせている。
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かつてこのこの地とは別の場所に住んでいたウィンチェスター家にはまるで呪いがかかったかのように不幸な出来事が相次いだ。1866年に娘が亡くなり、後を追うようにして主人もこの世を去って行った。
ただ1人取り残されたサラ・ウインチェスター夫人は自身に降りかかった多くの不幸について霊媒師に相談し、その助言を実行。助言の内容はアメリカ西部に館を建てて増築を続けなければいけないというものであった。
西部に館を立てなければいけない理由には「ウィンチェスター」という名前が関係してくる。
西部開拓時代、多くのガンマン達はこぞって高性能の銃を求め、その需要に応えていたのがサラ・ウィンチェスターの先祖であるウィンチェスター・リピーティングアームズだった。銃をはじめとしたビジネス、後に戦争経済の恩恵を受けて巨万の富を築き上げたのだが、利益を生み出していた兵器は結果として多くの人の命を奪うことになり、その命を落としていった人々の呪いがウィンチェスター家に降りかかったという。
サラ・ウィンチェスターは自身が亡くなる1922年まで増築を続けた。
また無理な増築を繰り返していたため、ドアを開けても何もない場所や、途中で途切れる階段等の常識では考えられない構造となっている。一説には人間でなく幽霊のための構造をしているとされているが、サラ・ウィンチェスター亡き今、真相は闇の中である。
現在は観光地やミステリースポットとして知られ、館内散策ツアーなども行われている。