日本でも度々耳にすることがある最低賃金。先進国ではどこの国でも当然に存在する認識の人が多いかもしれないが、意外なことにドイツにおいては規定が無かったようで、今回新たに法廷最低賃金という形で承認される見通しだ。
その額はなんと時給8.5ユーロ(日本円で1220円)。ついついため息が出てしまう額となっている。
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ドイツでは労働者達が結束して経営者側から譲歩を引き出すことによりある程度の賃金水準を維持してきたのだが、ここにきて法定最低賃金(時給8.5ユーロ)の制定という流れに身を投じたようだ。
ドイツの法廷最低賃金が必ずしも先進国基準となるかというとそうではないかもしれない。ヨーロッパ連合の中で経済的に1人勝ちを続けているドイツで定められた法定最低賃金は必ずしも他国と比較することが出来ないかもしれない。
日本の場合は各都道府県によって異なっているが、島根県の時給652円から東京都の時給850円まで幅があるが、いずれの場合にも今回ドイツで定められた法定最低賃金には遠く及ばない水準となっている(日本の家計における税負担の割合は世界でも最高レベルにあり、消費増税の影響もあって今後の負担が上昇する可能性はあるが、企業保護の観点から労働者への賃金上昇は強制力を含まないものとなっている)。
また、ドイツでは治療内容によって若干負担が発生する場合があるものの、国民健康保険に加入している場合には医療費は無料となる点等を考慮すると、日本と同じ先進国でもずいぶん違う(日本の制度はアメリカとヨーロッパの中間のような位置付けである)。
ちなみに日本と最も関わりの深いアメリカの方はというと、日本を7.3ユーロとした場合に5.64ユーロと、意外なことに日本よりも低い(ある意味で個人主義的な格差社会を象徴している)。
そして日本で問題となっている長時間残業や時間外労働はドイツには無縁の言葉である。色々と考えさせられる問題だ。