世界中には実に多くの生き物がいるが、透明な生き物はその中でも特に珍しい部類に入るだろう。
実はカエルの中にそのような全身透明という非常に奇妙な見た目の種類がいる。
名をグラスフロッグ(glass frog)という。
これは直訳するとガラスガエルといったところで、まだ日本でのコモンネーム(一般的に使用される名称)は無い。
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グラスフロッグが発見されたのは1872年にエクアドルで、その後に中米や南米などで次々と発見され、現在では150種類以上の種類が発見されている(アフリカでの発見例もある)。
これまでに発見されたグラスフロッグの大部分は中米(ベネズエラ・コロンビア・エクアドル・ペルー・ガイアナ)での発見だった。共通して熱帯雨林の中の湿度の高い山地(ギアナ高地など)出の発見で、外界とは長い間隔絶された人跡未踏のフロンティアとされてきた場所である。
グラスフロッグに共通しているのはその小ささで、ほんの2cm程度から大きくても7cmほどしかない。このため、グラスフロッグはウシガエルのような捕食者ではなく被捕食者の立場であると考えられ、外敵から身を守るためにこのような透明に近い色になったと考えられている。
ちなみに、進化といっても急に透明のカエルばかり誕生したのではなく、突然変異などで透明の種が誕生し、その透明の種が生存する可能性が高かったために、結果的に透明の遺伝子を持った種が長い時間をかけ少しずつ繁殖した。言い換えれば、透明の種以外は絶滅した種もたくさんいる可能性があるのだ。
生態は夜行性で、夜の闇に紛れることにより一層外敵から発見されづらい。