メキシコのユカタン半島で興味深い発見があったことが話題となっている。
ユカタン半島といえば恐竜絶滅の原因となった隕石が落下した場所として有名で、そんな場所での新発見と聞けば恐竜の絶滅に関するものだと考える人が多いかもしれない。
しかし今回の発見は恐竜時代のものではなく、約12000~13000年前の人間の頭蓋骨である。
スポンサードリンク
ナイアは身長147cmの女性、親不知が存在することから年齢は20歳前後とみられ、研究の結果インディアンではなくアジア人にルーツを持つことが明らかになった。
ユカタン半島へ約22000年前にベーリング海峡を渡ってやって来た人間の子孫であると見られ、人類の世界進出を調べる足掛かりとなることが期待されている。
ナイアが発見された場所は、ユカタン半島に無数に存在するカルスト地形(水に溶けやすい岩石で構成された地面が雨等の水によって侵食されて出現した地形)の洞窟を入り口から800mほど進んだ場所にある巨大な水溜まり(高さ60m)で、何らかの理由でこの場所へ来たナイアは誤って落下してしまい、結局這い上がることが出来ずに命を落としたと考えられている。
なぜナイアが洞窟へとやって来たのかは推測の域を出ないが、12000年前は氷河期であったことや、そんな中でも洞窟内部は15度であることから、ナイアは水を求めてやって来たのではないかとされている(同伴者がいた可能性もある)。
年代鑑定の結果、ナイアは12000~13000年前の時代に生きていたことが判明。さらに特筆すべきは発見された頭蓋骨の保存状態が非常に良好であるということで、専門家によるとこれまでに発見されたことのある12000年より前の頭蓋骨の中で最も元の形を残しているという。
アジア人の血を引くナイアの発見は過去の人類を知る大きな手掛かりとなるかもしれない。