30400 425x313 Public Assistance Image 生活保護受給者が過去最高に!矛盾する景気と実情。
厚生労働省は2013年12月の生活保護受給者216万7220人と3ヶ月連続で過去最高人数を更新していることを発表した。

自民党政権に政権交代してからというもの、株価は上昇傾向にあり名目上の求人倍率なども上昇していることから本来ならば景気は上向きであると考えられる。それでも生活保護受給者が増加の一途を辿る原因は景気の実情と生活保護が及ぼす精神的影響の2通りの原因が考えられる。

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生活保護受給者の増加はこれまでにも問題視されてきた。

近頃生活保護受給者が増加している原因は、主に景気回復が労働者に還元されていないことによる労働市場の低下による雇用不安。日本の制度では生活保護受給期間は無期限であるために1度生活保護を受給した人間は半永久的に需給を続けることになり、新規受給者は増加しても生活保護から抜け出していく人間は少ない為結果的に受給者の人数が上がること。実際に労働が困難な高齢者世帯の増加(割合は全体の45%と最も多い)等である。また不正受給なども問題に含まれる。

アベノミクスで一部の大企業で株価や賞与が上昇しているが、実際に給与や雇用という意味での改善が見られないこと(各省庁の公表する年収等は平均値であり中央値ではない)による受給者の増加はある意味で仕方のないこととも考えられる。本当に景気が上向いているならば生活保護受給者数は減少傾向が見られるはずである。

つまり現実には景気回復に至っていないのだ(景気の実情)

生活保護制度そのものは必要な制度という考えで間違いない。そもそも生活保護の根拠は生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われるという法律の規定に基づくものである(生活保護法)。
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この制度の根拠には問題は無く、実際に保護が必要とされる人間に相応の需給が与えられていればこちらも問題ではない。しかし実際には受給資格が無いににもかかわらず受給する者が存在すること(不正受給)、生活保護支給額が最低賃金を上回っていること生活保護そのものが就労意欲の低下を招いている現状を否定することは出来ない。

生活保護を受給した場合、行政の指示に従う必要こそあるが、多くの収入を得ている場合でない限り支給が打ち切られることは少ない(欧米では生活保護に支給期間が有限である)。また生活保護者が免除されるものは地方税・国民年金・保険料・水道費・NHK受信料がある。

そこでイメージしてもらいたいものがある。アルバイト等非正規雇用で最低賃金の労働をして生活保護受給額より低い給与を得て、そこから各種税金や光熱費を引いてほとんど手元に残らない生活(疲労も溜まる)。生活保護を受けて多くの免除制度を利用して労働せずしてアルバイト時よりも多くの資金が手元に残る生活(疲労は溜まらない)。単純にどちらがいいか聞かれた場合に感情論を抜きにして世間体以外の理由で前者を選ぶことがあるだろうか

就労可能な人間の就労意欲を奪っているものは他ならぬ生活保護そのものであるという指摘(受給者に与える精神的影響)の原因である。
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今後対策されるべきは生活保護の良し悪しではなく、制度の中身や最低賃金との逆転現象解消に向けた事柄であるが、企業側(最も企業は慈善団体ではない)はコストカットの為に人件費を上げる可能性が少ない。そう考えれば生活保護内容の水準低下が議論されるべきであろう。