狂犬病が日本に上陸してしまう可能性があるというニュースが流れた。
狂犬病が存在しないとされてきた台湾において、7月にイタチアナグマが狂犬病ウイルスに感染していることが発覚し、9月22日時点までにイタチアナグマ143例、ジャコウネズミ1例、そして犬にも1例の狂犬病感染が報告された。
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日本人にとって狂犬病は身近なものではない。なぜなら日本は世界でも稀の狂犬病が存在しない(1957年以降)国だからである。しかし、世界では今もなお狂犬病によって年間50000人以上の死者を出している恐ろしい感染症なのである。
緑の地域が狂犬病が報告されていない地域
狂犬病の恐ろしさを語る言葉として最も適切なものは、全ての哺乳類が感染し、発症した場合の致死率100%という数字で十分だろう。
感染経路も至って単純明快で、犬などの動物に噛まれて(唾液が唇に触れた場合も)傷口から狂犬病ウィルスが体内に侵入し、潜伏期間(個人差があるが)を経て発症する。
狂犬病の症状は多くの場合、風邪のような症状から始まり、傷口のかゆみや発熱、水に対する恐怖症(水に触れると激痛が走る)や風邪に対する恐怖症などの症状が表れる。 早ければ発症から2日後、遅くてもおおよそ1週間以内には脳がウィルスに侵されることで運動神経や筋肉神経が麻痺するため、呼吸困難で死亡する。
ワクチンを接種しなかった場合、発症すれば99.99%の確率(実質100%)で死亡する、実際にこれまで発症後に回復した事例は10人程度しかない。しかし、最近になってミルウォーキー・プロトコル (Milwaukee protocol)という治療法(患者を昏睡状態にして薬品を投与する)によって数人の命を救う事が出来ているが、それでも完全な治療とまでは至っていない。
日本の近くであり、同じく島国である台湾で狂犬病が発生した事例を考えると、日本の動物は全て安全であるとはとても言えない状況であり、もしかしたらすでに狂犬病ウイルスに感染している動物がいるかもしれない。動物をさわる時には、たとえ予防接種をした犬などであっても細心の注意を払うべきである。また、海外では日本国内のような感覚で野生動物にさわることは非常に危険な行為であり、言語道断である。