サメの保護にかけては世界的に見て先進国とされていたオーストラリアで異変が起きている。
人間がサメに襲われる事件が多発し、事態を重く見たオーストラリア政府は一時的に駆除解禁をした(中にはホホジロザメも対象に含まれる)。このため、シーシェパードなどの団体との衝突が起きている。
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ここは多くのサメの生息地でもあり、これまでに人間がサメに襲われる被害が多発していた。3年の間に7人の死者を出していることを重く見たオーストラリア政府は、西オーストラリア州をサメの保護対象の例外地区とすることを決定。
駆除の方法は海に餌をつけた釣り糸を垂らし、食らいついたサメを駆除するというものである
これまでサメはオーストラリアの法律によって保護動物とされていたため、合法的な駆除を行うことが出来なかった。
ワシントン条約によってサメが守られているとされる場合があるが、それはサメの取引を禁止しているものなので捕獲や駆除自体を規制しているわけではない。しかし、商取引による乱獲を防ぐという意味では効果的であった(商取引目的以外でサメを乱獲する意味が無いため)。
西オーストラリアで人間を襲ったサメはイタチザメやホホジロザメなどの種類と考えられているが、今回の駆除解禁は周辺のサメ全てが対象となるため、規制の対象外という言葉の解釈次第でより多くの種類のサメが駆除の名のもとに捕獲される可能性や、人命でない他の目的(密猟)の為に捕獲されてしまうことも考えられるため一層の注意が求められそうだ。
今回のオーストラリア政府の決定に、シーシェパードなどの観光保護団体が反対及び妨害を表明。オーストラリア政府は駆除によるサメの現象は悲しいことであるとする一方、サメの駆除と人命の被害を秤にかけた場合にはサメの駆除こそが国益であると判断した。
多くの場で賛否が分かれることが予想される出来事、これまでに多くの人命が失われているのは残念であるが、サメが多く生息する海域は、もしくは海そのものが人間の領域ではないことを忘れてはいけないだろう。