5月31日が世界禁煙デーであると知っている人は少ないだろう。
世界禁煙デーはWHOの定める国際デーの1つで、この日には世界各地で禁煙啓発キャンペーン等が開催されている。
その一方、世界の喫煙人口は10億人を超えるとされ、現在の人口が70億人と仮定した場合には約15%の人間が喫煙しているということになる。
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世界中で禁煙キャンペーンが展開される一方、喫煙人口は増加しているという現実があることはあまり知られていない。
世界で約10億人の人間が喫煙している現実(これは世界中の成人人口の3割を占めているが、未成年の喫煙者も多く存在していることを忘れてはいけない)。日本では徐々に喫煙率が減少傾向にあり、喫煙は健康リスクやコストが高いという観点から若者の間で敬遠されるようになり、先進各国では確実に喫煙者の人口は減少している。
そんな中で喫煙者が10億人という数字が生まれることには理由がある。
途上国の所得増加だ。
日本をはじめとした先進各国ではタバコに対する税金を増額した影響や、昨今の健康志向も重なってタバコの販売数が減少している(一方で貴重な税収であることは間違いないので販売停止には至っていない)。
そこで各国のタバコ会社が目を付けた存在が途上国(タバコ販売のフロンティア)だった。
日本のタバコ販売会社が途上国のタバコ会社を買収している事例からもわかるように、自国での販売数に陰りが見えたこと、途上国の所得向上の時期が上手く重なっていることが理由となり、途上国へ多くのタバコが流通する事態となっている(途上国では税金が先進国に比べて低いことも原因である)。
タバコの害に関しては喫煙者本人にはもちろんのこと非喫煙者にとっては副流煙という形で襲い掛かってくるのだが、自分には関係の無い外国の問題となれば対岸の火事という認識の人が多いだろう(確かに自分に被害が無いので仕方がない)。
世界禁煙デーを機会に、世界の喫煙事情やタバコの流れを考えるのもいいかもしれない。