220px Map korea without labels 韓国から北朝鮮へ戻る脱北者が急増中。脱南という新たな現象か。
韓国で信じがたい事件か起きている。

韓国へ逃れてきた脱北者達の中に、韓国から北朝鮮に戻る者達が現れ始めたという

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脱北とは、北朝鮮から韓国に脱出することを言い、1989年以降爆発的に増え続けている。1989年までは政治的理由による脱北がほとんどであったが、近年は生活苦による脱北が多い。
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地図上では南北国境を超えれば簡単に北朝鮮から韓国へと移動できるように見えるが、実際には南北国境に軍事境界線が引かれ、とても厚い警備体制であるため、中国側から脱北することが多い。

中朝国境では南北国境に比べて監視員の数が少なく、監視員への賄賂も通りやすい(賄賂になるものは金以外にもある)また脱北をビジネスにしている脱北ブローカーも存在している。

国境越えは基本的に命がけのミッションとなる。北朝鮮で脱北が発見され拘束された場合には重い刑罰が待っていて、家族を含む強制労働や、場合によっては死刑になる可能性もあり、脱北者にとっては絶対に失敗できないのだ。

国境を脱出し、中国側に逃れた後にも脱北者にとっては油断できない状況が続く。中国は脱北者を難民として認定していない、そのため不法入国および不法滞在者という扱いであり、取り締まりおよび強制送還の対象となる。もし中国から強制送還された場合、北朝鮮国内ではより重い刑罰を受けることになる(3割が死刑になるという説もある)。最近では、金正恩体制になり罰則の強化が囁かれているが、北朝鮮国内では脱北者を貴重な労働力としていることも事実であるので、強制送還=必ずしも死ではない。

かつてはモンゴルを経由しての韓国行きが主であったが、国境の警備が厳しいために近頃は東南アジア経由で脱北する。

これらは、裏を返せば命の危険に遭遇してでも北朝鮮から抜け出したいという国民感情の表れであり、いかに北朝鮮国内が疲弊しているかを推測できる。

これまでは、韓国にたどり着けば脱北者にとってパラダイスが広がっていると考えられていたが、近頃は少しずつ問題が表面化してきている。韓国にとって脱北者の増加は経済的負担であることは事実で、人数が増え続けることで自立支援制度などは形骸化してしまう可能性も指摘され、脱北者自身も一般的な教養を身に着けていないことが多いだけでなく、脱北者コミュニティを形成する傾向があるために、韓国社会に溶け込むことができない現状が存在する。

このような韓国国内での生活苦によって、韓国から北朝鮮に脱南する元脱北者が増えている。しかし、単なる生活苦による脱南ではなく、北朝鮮当局による脅迫(家族を後ろ盾にしたもの)も要因である可能性も指摘されている。韓国側とすれば、脱南の理由が韓国にある場合には、国内外での韓国政府に対する不信感や財政不安を誘発しかねないため、この問題に対する対応は慎重になるものと思われる。